【オリンピックと業界認証:3】ホテル・旅館業編 画像 【オリンピックと業界認証:3】ホテル・旅館業編

インバウンド・地域活性

 外国人観光客が日本を訪れるにあたり、宿泊施設の選択にあたって注目されているのが、第三者による評価だ。中部圏社会経済研究所の調査によると、“宿泊施設カテゴリー別に格付け”を「非常に重視する」、または「ある程度重視する」と答えたのは全体で91.3%。しかし、日本では海外と違い、近年まで観光認証制度が存在しなかった。

 このような状況に対応すべく、09年に設立されたのが観光品質認証制度「SAKURA QUALITY」である。これは、宿泊施設とアクティビティが、料金に見合うだけの品質であることを認証したもの。これをいち早く導入したのが「雪国観光圏」だ。

■認証制度で上がった顧客満足度

「国境の長いトンネルを抜けたもう一つの日本」をブランドコンセプトとし、“雪国=スノーカントリー”の魅力を国内外にPR。新潟県の魚沼市などの3県7市町村を圏域とする「雪国観光圏」では、11年9月から宿泊施設においてSAKURA QUALITYの導入を開始した。

 12年9月時点で、SAKURA QUALITYの認証を受けたものは、全宿泊施設のうちの約1割に当たる50軒まで増えた。雪国観光圏の代表理事を務める井口智裕氏が営む、湯沢町にある旅館「越後湯澤 HATAGO井仙」もその一つだ。

「日本には宿泊施設の品質を客観的に評価する基準がないため、外国人にとっては宿泊先を選びにくく、結果、外国人の足が遠のいてしまうのではないかと感じていました。SAKURA QUALITYは1~5の星印で品質を表せます。外国人は、どの程度の料金でどのようなサービスを受けられるのかを星の数で判断できるようになり、利用客が増えるのではないかと考えたのです」

 雪国観光圏における外国人客数の推移は、12年の3万7882人から15年の5万5757人へ増加した。そこには、SAKURA QUALITYによる、一定の効果があったと明かす。

「以前は、宿泊料金と施設・サービスの質が合わないといった類のクレームがあったのですが、SAKURA QUALITYの品質認証によってこうしたクレームは大きく減りました。星の数によって宿泊料金と施設・サービスの質のバランスを理解し、その上で利用する外国人客が増えたのだと思います」

《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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