【東北の農林水産業】大規模化で農地を守る、うねめ農場の挑戦 画像 【東北の農林水産業】大規模化で農地を守る、うねめ農場の挑戦

インバウンド・地域活性

 福島県郡山市に広さ120平米の敷地を備え、米と大豆の大規模農法に挑戦し続けている農場がある。06年に法人化した有限会社うねめ農場。社長の伊東敏浩氏で9代目と、この地で代々農業を続けてきた。

 しかし、会社設立から5年後に東日本大震災が発生。福島第一原子力発電所の事故にともなう風評被害によって、福島の農作物の相場は一気に落ち込んだ。厳しい業績、辞めていく従業員。その中で、伊東氏は農場の経営を再建させようと動き出す。

■風評被害の中でも攻めの農法を続ける

 うねめ農場が大規模化の道を選んだのには、伊東氏の父にあたる先代の思想が大きく影響している。「面積拡大しないと、これから農業はやっていけない時代になる」。そんな父の薫陶を受けた伊東氏は、農場をついでからも遊休農地を吸収しながら、農地を広げていった。

「国内向けに需要を伸ばすか、海外に進出するか。いずれにしても大ロットの取引になるので、ある程度の生産量が必要になるんです」

 こうした取り組みは震災発生時にもプラスに働く。お客様への直売を中心としていた農家は、風評被害によって米が全く売れなくなった。しかし、うねめ農場では出荷先のほとんどが業者だったため、販売が停止するような騒ぎにはならなかった。

 とはいえ、相場の下落はこのような大ロットでの取引にも影響をもたらした。時には売り上げが1000万円近く落ち込む年もあったという。細々と行っていた個人相手の小売もあったが、精神的な落ち込みもあって、伊東氏は震災後に自前での精米を止めた。

 ただ、福島という名前を敬遠する消費者もいる一方で、復興を望む声も多く寄せられた。運転資金については農林中金からの投資を受けて、厳しい状況ながらも、何とか業務を継続できたという。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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