刑務所出所者の建設業への就職支援、拡大へ 画像 刑務所出所者の建設業への就職支援、拡大へ

人材

 法務省は今秋から、年間平均2万人を超す刑務所出所者の建設業への就職支援をより戦略的に展開する。雇用主と出所前の受刑者を広域的に仲介する「就労支援情報センター」を東京と大阪に1カ所ずつ新設。建設業への就労支援として、雇用主に対し、出所後の居住地や取得資格に関する情報などをより幅広く提供する。
 今秋にも始動する就労支援情報センターは、同省の出先機関に当たる東京矯正管区と大阪矯正管区の新部署の一つとしてそれぞれ新設。事務所は東京矯正管区が入るさいたま新都心合同庁舎2号館(さいたま市)と、大阪矯正管区が入る大阪合同庁舎2号館別館(大阪市)に置く。東京と大阪で所管エリアをおおまかに東日本と西日本に分ける。いずれも同省の職員が3人程度常駐するほか、就労支援を専門とする外部スタッフも新たに雇用する計画だ。
 センターでは、最初に建設業などの雇用主から直接訪問か電話、メールなどの方法で雇用したい人材の希望を受け付ける。次に受刑者の情報を管理しているシステムを通じ、出所が比較的近い受刑者を優先して雇用主の需要に応じた適正人材を広域検索。雇用主にその受刑者がいる刑務所を紹介し、雇いたい人材と合致すれば、その刑務所に求人情報を出してもらう。受刑者が求人情報に興味を示せば、受刑者に関するより詳細な情報提供や採用面接の仲介などを行う。
 法務省によると、センターを新設する最大の目的の一つが、刑期中に出所後の建設業への就職内定者を増やすこと。14年に刑務所や拘置所を出所した2万1866人のうち、もともと建設業で働いていたのは約2割の2854人に上り、無職者を除くと業種別で最大の割合。さらに、出所者の大半は以前に働いていた業種への再就職を望んでいたという。
 14年実績で刑期中の就職内定者数(業種別は非算出)は約230人。法務省は再犯率を高める出所後の無職期間をなくすため、刑期中の就職内定者数の増加を最大の目標に掲げる。
 従来は、地域ごとに刑務所と公共職業安定所(ハローワーク)で求人情報に関するやり取りを行ってきたが、出所後の居住地は全国に点在するケースが多い。そこで法務省は、広域的な仲介を行うセンターを設けることで、雇用主と出所者の情報を従来より幅広く提供できるようにする。センターからは建設業の雇用主に対し、刑期中の職業訓練で取得した建設分野の資格情報なども積極的に提供する方針だ。
 法務省は、2020年東京五輪までに一時的に急増する建設需要に対する担い手不足をにらみ、出所者の建設業への就労支援に力を入れている。16年度はセンター新設に加え、刑期中の建設分野の職業訓練課程を大幅に拡充。15年度に試行を始めた総合評価方式の工事入札で出所者の雇用実績がある企業を加点評価する取り組みも継続する。

法務省/出所者の建設業就労拡大へ/東京と大阪に仲介センター、居住地・資格情報提供

《日刊建設工業新聞》

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