【東北の農林水産業】全てが流された魚市場。奇跡の復興 画像 【東北の農林水産業】全てが流された魚市場。奇跡の復興

インバウンド・地域活性

 2011年3月11日、東日本大震災による津波は、東北の沿岸部に甚大な被害をもたらした。宮城県牡鹿郡にある女川魚市場もその一つ。建物は外観こそ残ったが、中身はすべて流されガレキの山に。水揚げの岸壁は陥没し、船を着けられなくなった。

「何をすればいいかもわからない。途方に暮れました」と当時を思い返すのは、女川魚市場の代表取締役専務 加藤実氏。幸い職員は山へ避難していて助かったため、とりあえず全員手作業でガレキの撤去から始めた。その作業にはおよそ2ヵ月はかかったという。

 その一方で、加藤氏はサンマの時期の9月から市場が再開できればと考えていたという。しかし、地元の漁業者はたくましかった。7月から水揚げしたいという要望を受けて、加藤氏は女川町に依頼。仮設岸壁を作ってもらう。

 そして、7月1日、女川魚市場は業務を再開した。とはいえ、フォークリフトもトラックも冷蔵庫も、何も設備はない。当初は水揚げ量がほとんどなかったので、手作業でまかなえたが、このままでは秋のサンマ漁ができない。まだ復興計画も何も立てられない頃に、それでも加藤氏は国や女川町の支援を受けると、設備をどうにかひととおり揃えることに成功。なんとかサンマ漁の再開にこぎつけた。

■データが無い! ゼロからの会社再建

 業務を再開したものの、津波で会社のパソコンがなくなり、経理関係のデータがすべて消えていた。前年の11月分までは宮城県漁業協同組合に残っていたが、12月から3月までのデータが無い。預貯金から未収金からすべてがわからない。取引先に確認しようにも取引先も震災でやられているという状況だった。

《板谷智/HANJO HANJO編集部》

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