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 求む、秘密の“カブ主”――。山形市の野菜農家、佐々木康裕さん(33)は、希少な伝統野菜を栽培して、消費者に届ける「FARM OWNER’S(ファームオーナーズ)・秘密の蕪(かぶ)券プロジェクト」を立ち上げた。インターネットで「蕪券」を買ってもらい、購入金額に応じて伝統野菜を直送する。市場に流通しにくい希少な野菜を、欲しい人にだけに届ける仕組みだ。
 きっかけは2011年1月、市内のレストランでサトイモ「甚五右ヱ門芋」を使ったビーフシチュー、「勘次郎胡瓜(きゅうり)」のサラダなど、聞いたことのない名前の野菜の料理に出合ったこと。伝統野菜が持つ味の濃さに「一瞬で魅了された」。風土を感じさせる強烈な個性に心奪われた。

 「このおいしさを広く伝えたい」。佐々木さんは、自ら伝統野菜を作って消費者に直接届けるプロジェクトを考案。15年、首都圏の消費者5人に定期的に在来のナスやトマトを送って関心を探り、今年1月から本格稼働させた。

 プロジェクトの仕組みはこうだ。1回の購入金額が3000円から「小蕪主」になれ、「ブロンズ蕪券」がもらえる。同1万2000円以上になると「シルバー蕪券」が発行され、蕪主総会への参加資格が得られる。12万円購入して「大蕪主」になると“発言力”が増す。栽培してほしい野菜をリクエストできて「ゴールド蕪券」がもらえ、6~12月の毎週、段ボール1箱分(6~15種類)の伝統野菜が届く。

 参加者集めは、インターネットを通じて不特定多数から資金を集める「クラウドファンディング」という手法を活用。農薬を使わず栽培する自身のこだわりも伝えた。

 蕪主は現在、約60人に達し、70万円ほどの資金が集まった。県内だけでなく首都圏や九州からの参加者で構成し、「早く伝統野菜が食べたい」「都会暮らしで農家とつながる機会がないので交流したい」といった声が寄せられているという。

 今後、10アールのハウスで小カブやニンジンなど30種類ほどの伝統野菜を栽培。8月と10月に、東京都内で蕪主総会を開く予定だ。

 「消費者と双方向で楽しめる仕組みにしたい。蕪主への責任を果たすためにも、おいしい伝統野菜を作り魅力を伝えたい」と佐々木さんは張り切る。蕪主は、同プロジェクトのホームページで随時募集している。(日影耕造)

有望“カブ”出資求む 配当は旬の伝統野菜 ネット通じ魅力発信 山形市の農家佐々木さん

《日本農業新聞「e農net」》

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