インバウンドに対応。東京都心と空港を結ぶ交通アクセスを増強 画像 インバウンドに対応。東京都心と空港を結ぶ交通アクセスを増強

制度・ビジネスチャンス

 今後15年で東京圏で推進する都市鉄道ネットワークの整備方針を検討してきた交通政策審議会(交政審、国土交通相の諮問機関)の小委員会は7日、空港アクセス鉄道計画の推進などを柱とする答申案をまとめた。2020年東京五輪を契機とする訪日外国人旅行者(インバウンド)の急増に対応。東京都心と羽田、成田両空港を結ぶアクセス鉄道計画を中心に計24の新設・延伸・複々線化事業を盛り込んだ。14日まで答申案への意見を募集した上で、月内にも答申をまとめる。=2、4面に関連記事
 東京圏の都市鉄道整備方針はおおむね15年ごとに見直されており、新たな整備方針の基になる答申案は、交政審陸上交通分科会の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」(委員長・家田仁東大大学院教授)が「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」として同日まとめた。
 今回の整備方針案では、旧運輸政策審議会が00年1月に整備計画として答申した前回計画(15年度ごろまで)とは異なり、開業や整備着手の目標年次を「A1」や「A2」といった形で明確に振り分ける方法はやめた。前回計画の大半の事業が目標年次より遅れたためだ。
 答申案では、24の鉄道ネットワーク整備のうち、8事業を「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」、16事業を「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」に振り分けた。
 国際競争力の強化に資する事業には、空港アクセス鉄道計画と都心内の移動の利便性を高める計画を中心に盛り込んだ。
 新規に盛り込んだ主な事業を見ると、国交省がPFI方式で計画している都心直結線の新設は、羽田、成田両空港に接続する京成電鉄、京浜急行電鉄と相互乗り入れしている都営地下鉄浅草線の押上駅~泉岳寺駅間(約11キロ)に短絡線を設けて東京駅と両空港を直結させる。京急電鉄による京急空港線終着駅となる羽田空港国内線ターミナル駅での引き上げ線の整備は、東京・横浜方面への運行本数を増やす狙いがある。
 事業主体は未定だが、リニア中央新幹線の発着駅となる品川と都心部を行き来しやすくする「都心部・品川地下鉄構想」(白金高輪~品川)の新設も新たに盛り込んだ。
 都内で終点となっている小田急多摩線をリニア中央新幹線の中間駅となる「神奈川県駅(仮称)」方面に延伸する計画も盛り込まれた。
 これら以外のほぼ全事業は、前回計画から継続する形になっている。
 今後15年で東京圏で推進する都市鉄道ネットワーク整備の24プロジェクトは次の通り。
 【国際競争力の強化に資する鉄道ネットワーク整備プロジェクト(8プロジェクト)】
 △都心直結線新設(押上~新東京~泉岳寺)
 △羽田空港アクセス線新設及び京葉線・りんかい線相互直通運転化(田町駅付近・大井町付近・東京テレポート~東京貨物ターミナル付近~羽田空港、新木場)
 △新空港線新設(矢口渡~蒲田~京急蒲田~大鳥居)
 △京急空港線羽田空港国内線ターミナル駅引上線の新設
 △常磐新線延伸(秋葉原~東京〈新東京〉)
 △都心部・臨海地域地下鉄構想新設及び同構想と常磐新線延伸の一体整備(臨海部~銀座~東京)
 △東京8号線(有楽町線)延伸(豊洲~住吉)
 △都心部・品川地下鉄構想新設(白金高輪~品川)
 【地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資する整備プロジェクト(16プロジェクト)】
 △東西交通大宮ルート新設(大宮~さいたま新都心~浦和美園〈中量軌道システム〉)
 △埼玉高速鉄道線延伸(浦和美園~岩槻~蓮田)
 △東京12号線(大江戸線)延伸(光が丘~大泉学園町~東所沢)
 △多摩都市モノレール延伸(上北台~箱根ケ崎、多摩センター~八王子、多摩センター~町田)
 △東京8号線延伸(押上~野田市)
 △東京11号線延伸(押上~四ツ木~松戸)
 △総武線・京葉線接続新線新設(新木場~市川塩浜付近~津田沼)
 △京葉線の中央線方面延伸及び中央線複々線化(東京~三鷹~立川)
 △京王線複々線化(笹塚~調布)
 △区部周辺部環状公共交通新設(葛西臨海公園~赤羽~田園調布)
 △東海道貨物支線貨客併用化及び川崎アプローチ線新設(品川・東京テレポート~浜川崎~桜木町、浜川崎~川崎新町~川崎)
 △小田急小田原線複々線化及び小田急多摩線延伸(登戸~新百合ケ丘、唐木田~相模原~上溝)
 △東急田園都市線複々線化(溝の口~鷺沼)
 △横浜3号線延伸(あざみ野~新百合ケ丘)
 △横浜環状鉄道新設(日吉~鶴見、中山~二俣川~東戸塚~上大岡~根岸~元町・中華街)
 △相模鉄道いずみ野線延伸(湘南台~倉見)。

交政審小委/今後15年の東京圏都市鉄道整備方針/新設・延伸・複々線化に24事業

《日刊建設工業新聞》

編集部おすすめの記事

特集

制度・ビジネスチャンス アクセスランキング

  1. お客さまとの距離が近い!年賀はがきのDMが支持される意外な理由

    お客さまとの距離が近い!年賀はがきのDMが支持される意外な理由

  2. 「中小企業の《経営論》」第5回:「トップダウン」と「ボトムアップ」のバランスと使い分け

    「中小企業の《経営論》」第5回:「トップダウン」と「ボトムアップ」のバランスと使い分け

  3. 「2017年版 中小企業白書」と、創業支援策の課題(前編)

    「2017年版 中小企業白書」と、創業支援策の課題(前編)

  4. JR東海のリニア新幹線、川崎市麻生区に都市部トンネル

  5. 主要ゼネコン26社/17年3月期決算/最高益更新相次ぐ、全社が増収見込む

  6. 国家イノベーションプログラム「SIP」、新しい産学官連携のかたち

  7. リニア新幹線・第一中京圏トンネル新設西尾工区、競争見積もり手続きを公告

  8. 農業や農産物のPR手法、おしゃれに進化!/スペシャリストが活躍

  9. 主要ゼネコン26社の16年4~9月期決算、7割近くが粗利益率10%台

  10. 世田谷合同庁舎が完成、国と自治体施設の合築整備が広がる

アクセスランキングをもっと見る

page top