東京23区内の大規模建築、観光客対応でホテル建設が急増 画像 東京23区内の大規模建築、観光客対応でホテル建設が急増

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 15年度(15年4月~16年3月)に東京23区内で公表された延べ床面積1万平方メートル以上の大規模建築物の建設計画は前年度比3件減の95件となった。延べ床面積の合計は394万3870平方メートルと前年度(402万1135平方メートル)から2・0%減少したが、高水準は維持した。前年度と比べ、ホテルの建設計画の増加が目立ってきたのが大きな特徴。観光客の増加などで都心の宿泊施設の部屋不足が指摘されており、高まる需要に素早く対応する開発事業者が増えているようだ。
 「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づき15年4月1日~16年3月23日に都に提出された標識設置届を対象に日刊建設工業新聞社が集計した。建設計画が最終決定し、近隣への説明や行政手続きに入った段階のプロジェクトが集計対象となり、公共機関が発注した建設計画なども含まれる。
 提出された95件を23区別に分けると、最も多かったのは港区の15件(前年度比1件減)で、次いで中央区が10件(3件増)。これに7件の江東区(変動なし)、品川区(2件減)、渋谷区(2件増)、足立区(1件増)、6件の新宿区(変動なし)と世田谷区(1件減)、5件の千代田区(2件減)と中野区(4件増)が続いた。
 用途別(複合施設の場合は主要用途)に内訳を見ると、共同住宅が33件と前年度から10件減少した。マンション開発では最近、建築費の高止まりや地価高騰などを背景に、需要が確実に見込める立地を選別する傾向が強まっている。都心部や郊外の駅至近地での開発機運は依然旺盛だ。
 ホテルは9件で、前年度の3件を大きく上回った。都心部では、既存の事務所ビルなどを建て替える際、新たにホテル用途を盛り込む計画が相次いでいる。朝日新聞社が所有する「銀座朝日ビル」(中央区)、日本紙パルプ商事が所有する「JPビル」(同)のそれぞれの建て替え計画が代表的な事例だ。インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加により、今後も宿泊施設のひっ迫状態が続くと予測されていることも背景にある。
 その他の用途では、事務所が21件(3件減)、大学や高校などを含む教育施設が11件(4件減)、スーパーやホームセンターなど店舗が7件(2件増)、高齢者介護施設や大学病院を含む医療施設が6件(2件増)だった。
 延べ床面積別では、1万~2万平方メートルが45件(1件減)、2万~3万平方メートルが16件(同)、3万~4万平方メートルが9件(同)、4万~5万平方メートルが8件(変動なし)、5万~6万平方メートルが1件(同)、6万~7万平方メートルが2件(同)、7万~8万平方メートルが2件(2件増)、8万~9万平方メートルが1件(2件減)、9万~10万平方メートルが2件(変動なし)。
 10万平方メートル以上の超大型プロジェクトは前年度と同じ9件あった。最も規模が大きいのは、三井物産と三井不動産が千代田区大手町で計画している総延べ床面積35・8万平方メートル規模の「(仮称)OH-1計画」。計画地の西側にA棟(地下5階地上30階建て)、東側にB棟(地下5階地上39階建て)を建設する。事務所用途が主体だが、B棟の高層部にはホテルが入る。設計は日建設計・鹿島JVが担当。施工者は未定。現在、既存ビルの解体を鹿島の施工で進めており、5月中旬にも本体に着工する。

東京23区内の大規模建築/15年度は3件減の95件/ホテル建設が急増

《日刊建設工業新聞》

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