国交省が自治体の「歩切り」全面廃止を達成、残り3団体が見直し表明 画像 国交省が自治体の「歩切り」全面廃止を達成、残り3団体が見直し表明

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 国土交通省が取り組んできた地方自治体発注工事での「歩切り」の全面廃止が達成される見通しとなった。同省などの繰り返しの要請にもなお「見直しを行う予定はない」としていた3自治体すべてが見直しを表明した。適正な予定価格設定を定めた改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に違反する行為と位置付けられた歩切りが全面廃止されることで、品質確保の前提となる適正な競争環境の整備が前進することになる。
 国交省は総務省と連携し、昨年1月と7月時点で行った2度の実態調査や、それらの結果を踏まえて歩切りを行う理由に関する聞き取り調査などを行い、早期の見直しを繰り返し要請してきた。昨年1月時点の調査では、「慣例」や「財政の健全化」などを目的として、設計金額の一部を切り下げて予定価格とする歩切りを459自治体が行っていた。
 今年2月時点で、繰り返しの改善要請にもなお見直す予定がないとしていた3自治体(関東2、中部1)に国交省の担当者が直接出向き、改正公共工事品確法やその運用指針の趣旨を説明。歩切りをやめるようあらためて要請した。その結果、1団体は直ちに見直すと表明。別の1団体も時期は未定としながら見直すとした。残りの1団体も、今回の見直し要請の対象としていない端数処理に変更する考えを示したという。
 これにより、予定価格を「設計金額と同額」とする自治体は予定5団体を含めて1536団体、「端数処理等を行っている」が予定2団体を含めて252団体となった。
 国交省では当初、再三の要請になお歩切りを廃止しない自治体については、個別自治体名を公表するとしていたが、今回3団体の方針が明確になったことで、公表は回避されることになる。
 ただ、設計金額の端数を切り下げて予定価格を設定することについて、昨秋のブロック監理課長等会議で国交省は「1%以上は過度な切り下げになるのではないか」(建設業課)との見解を示している。
 このため、年2回開く同会議で端数処理を議題に上げ、引き続き実態を調べるなどして必要に応じ改善を求め、予定価格の適正な設定を促していく方針だ。

国交省/自治体の「歩切り」全面廃止達成/残り3団体が見直し表明

《日刊建設工業新聞》

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