国交省が初のインフラ輸出行動計画を策定、請負以外の対応力強化も 画像 国交省が初のインフラ輸出行動計画を策定、請負以外の対応力強化も

制度・ビジネスチャンス

 国土交通省は24日、日本企業のインフラ輸出を官民で戦略的に推進するための初めての行動計画を策定した。2020年度を当面の目標年度に設定。アジアやアフリカなどインフラ需要が旺盛な地域・国別に日本企業の受注が見込める有力プロジェクトを列挙し、当面の戦略をまとめた。建設業に特化した戦略も策定。従来中心だった工事の請負に加え、PPPやコンストラクション・マネジメント(CM)といった多様化する海外の事業手法への対応力を強化する必要性を指摘した。
 今回が初となる「国土交通省インフラシステム海外展開計画」の策定は、昨年11月に開かれた政務官・局長級でつくる同省の国際政策推進本部(本部長・石井啓一国交相)の会合で出された石井国交相の指示を受けて行った。政府全体の成長戦略として20年に海外での約30兆円規模のインフラシステム受注(現在は10兆円)を目指す目標を掲げる中、建設産業など同省所管分野の取り組みをより強化する狙いがある。
 計画では、官民で今後推進すべき重点戦略として計10項目を列挙。その一つに、インフラ輸出で中心的役割を担う建設業の海外進出支援の強化を打ち出した。
 具体的には、今後の海外案件の受注に向けて事業分野の拡大や異業種連携、上流段階からの事業参画がポイントになると指摘。さらに、従来中心だった工事の請負に加え、PPPやCMなど多様化する事業手法を念頭に、できる限り事業全般に参画できるようにする必要性も指摘している。
 このほか、中小の建設業に特化した戦略も策定。中小が得意とする低コストの道路メンテナンス技術や下水管の更生工法など海外にも売り込みやすい技術を列挙した。さらに計画全般で、インフラの整備・維持管理を効率化するICT(情報通信技術)をセットで売り込んでいく重要性も指摘している。
 《地域・国別の20年度までの主な重点受注目標プロジェクト》
 ■アジア
 【ベトナム】南北高速鉄道整備△ハノイ市都市鉄道1号線・2号線整備△ホーチミン市都市鉄道1号線・3A号線整備△南北高速道路(ダナン~クワンガイ、ベンルック~ロンタイン)ITSパッケージ△北部ラックフェン港整備・運営△ハノイ市エンサ下水道整備△南部ビンズン省BRT運営△ホーチミン市地下街開発
 【ミャンマー】ヤンゴン~マンダレー鉄道整備△ヤンゴン環状鉄道改修△東西経済回廊道路整備△ティラワ港事業・ティラワ経済特区関連インフラ整備△ハンタワディー新国際空港建設・運営△ヤンゴン丸の内ランドマークプロジェクト△貨物鉄道コンテナターミナル整備・運営
 【フィリピン】ミンダナオ島ダバオ市バイパス建設南・中央区間△メトロマニラ立体交差建設フェーズ4△マニラ首都圏主要橋梁耐震補強△ニノイ・アキノ空港拡張・運営
 【インド】ムンバイ~アーメダバード間高速鉄道整備△アーメダバードメトロ△ベンガルール周辺環状道路建設△北東州道路網連結性改善フェーズ1△ムンバイ湾横断道路建設
 ■アフリカ
 【ケニア】モンバサ港開発フェーズ2△モンバサ港周辺道路開発
 【モザンビーク】ナカラ港開発
 【エジプト】カイロ地下鉄4号線整備△ボルグ・エル・アラブ国際空港拡張
 【ガーナ】東部回廊架橋ボルタ川新橋
 【ウガンダ】カンパラ立体交差建設・道路改良
 【マラウイ】カムズ国際空港ターミナルビル拡張
 【アンゴラ】ナミベ港改修

国交省/初のインフラ輸出行動計画策定/請負以外の対応力強化も

《日刊建設工業新聞》

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