スマートロックのシェア機能は“合カギ文化”を変える!?【特集「近未来!スマートロックの世界」Vol.4】 画像 スマートロックのシェア機能は“合カギ文化”を変える!?【特集「近未来!スマートロックの世界」Vol.4】

制度・ビジネスチャンス

 スマートフォンにインストールしたアプリからドアロックを操作できるスマートロック。いちいちカギを出すことなく、素早く施錠・解錠できるのがその魅力だ。今回は応用編として、「Qrio Smart Lock」「Akerun」を用いて、カギのシェア機能を中心に解説しよう。

■カギのシェアは時間指定まで可能

 スマートロックを家族間で利用する場合、期間は基本的に無制限とすることが多く、特に制限を掛ける意味はない。しかし、ベビーシッターや家政婦さん、そして家庭教師など定期的に訪れるゲストがいる場合、無制限のカギを渡すのも怖いハズだ。筆者も数年前に海外旅行に行く際、ペットシッターに、数日おきに自宅に訪れてもらい、ネコの管理を依頼したことがある。そのときは当然、家のカギを渡したわけだが、信頼はしつつ、ちょっと怖いなと感じた記憶がある。

 しかし、スマートロックなら、その心配が低減できる。この連載でレビューしている、「Qrio Smart Lock」「Akerun」ともに分単位でカギが使える時間を指定することができる。例えば、依頼した時間だけ、火曜日、木曜日のの15時から18時まで施錠・解錠できるなどピンポイントで指定できるのだ。

 これなら、不在なのをいいことに、必要のない時間に家に来ているではないか?といった心配もなくなる。カギが利用できる時間の設定と、そして、ログによる入退出管理機能により、人の出入をきちんと管理できるのだ。

 この時間設定機能を使えばさまざまな可能性が考えられる。例えばシェアオフィスなどの複数で使う場所でも、9時から18時までは使えて、それ以降は使えなくするといったこともできる(ただし施錠もできなくなるが、自動施錠機能は利用できる)。

■「Akerun」なら法人向けに遠隔操作機能などを用意

 では2製品について、さらに上級者向けの機能をチェックしてみよう。「Akerun」で注目したいのが、現在、法人向けに展開している「Akerun Remote」だ。これはSIMカードを装着できるユニットと「Akerun」を連携させることで、屋外などから施錠・解錠ができるようになるオンラインカギ管理システム。

 カギをシェアされた人がドアの前まで来て、スマートフォンを操作できる場合は、そのままアプリから解錠すればいいが、スマートフォンを持っていなかったり、カギをシェアされていないというときでも、「Akerun Remote」があればドアの開け閉めができるのだ。

 「Akerun Remote」ではWebベースでカギの開け閉めを管理し、3G回線で、ユニットにその情報を通知。そしてユニットが「Akerun」とBluetoothで通信を行って、カギの操作を行うという仕組みだ。

 「Akerun Remote」屋外から操作できることのほか、フィーチャーフォン(ガラケー)からの操作ができるなどのメリットもある。通信回線を使うため、一般家庭にはハードルが高いが、商業施設やシェアハウスなど複数の利用者がいる施設なら見逃せない機能だといえそうだ。

■スマートロックの究極の姿は「手ぶら解錠」

 「Qrio Smart Lock」を使うとき、ぜひ利用したいのが、「手ぶらで解錠」機能だ。ただし、この機能はβ版となっており、状況によっては正しく動かない場合などがあるほか、スマートフォンのバッテリーの消耗が早くなるという問題もある。設定は非常に簡単だ。本体と接続した状態で、「手ぶら解錠」をオンにする。ドアの外にでて計測を行う。

 「手ぶら解錠」機能ではGPSやWi-Fiによる位置情報を利用しており、この情報を最初に設定するのだ。このことにより、自宅に戻ると位置情報から、そのことを認識してカギを開けてくれる。このため、通りの向かい側にあるコンビニに行った程度では残念ながら解錠してくれなかった。説明書きにもあるとおり、ある程度以上は離れ必要があるようだ。

 しかし、このスマートフォンすら出さないという、「手ぶら解錠」機能はスマートロックの究極の姿。ぜひ、正式バージョンのリリースを楽しみにしたい。

■必要?と思っても利用すると離れられなくなる

 今年に入ってから、レビューなどのためのスマートロックを高頻度で使うようになった。最初はデジガルガジェットとして、仕事では注目していたが、自宅のサムターンが特殊形状でつかないと思っていたこともあり、個人的な興味からは外していた。しかし、実際に取り付けて使ってみると、この便利さを体感させられた。鞄などからカギを探すという行為がこれほどまでに面倒くさいのかと改めて感じられたのだ。

 また、もうひとつがカギのシェア機能だ。筆者は家族と暮らしているが、若い頃は長くひとり暮らしだった。その間、何人かに「合カギ」を渡したことがある。この合カギ、関係性がいいときはいいのだが、悪くなったときの回収がとにかく面倒なのだ……。「カギを返して」とはなかなか言いづらく、さらに相手から去ったときなどには、カギのためだけに連絡も取れず、そのカギをどのように処分されたのかもわからない。

 しかし、スマートロックなら安心だ。関係が悪くなったらそっとシェアしたカギを削除しておけばいい。もちろん最初から無制限でシェアすることはせず、1ヵ月単位ぐらいで登録しておくといい。また、「Akerun」の場合は、ちょっと今、突然来られたら困るなというときに、そっとその時間帯や日(曜日)の権利を解除することができる。管理者からゲストに権利を変更すると通知が行くが、もともとゲスト登録で、利用できる時間を変更しただけなら通知は届かない。もちろん、そのあとでそっと戻しておけば、気付かれることもなさそうだ。もし、突然来てしまったとしても、カギが開かないことで連絡が来るため、対処する時間も稼げるだろう(笑)。

 スマートロックがあれば、このあたりの付き合い方もよりスマートにできそうだ。

協力:Qrio、フォトシンス
《コヤマタカヒロ》

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