酒米取引で複数年契約拡大を農水省提示。生産、実需で在庫確保

制度・ビジネスチャンス

 酒造好適米の需給緩和を防ぐため、農水省が検討している対策の内容が22日、分かった。安定供給に向けて複数年契約を拡大させることが柱。作況の豊凶による過不足を調整するため、産地と実需が双方で一定量の在庫を持つことや、品種ごとの需要見通しを生産者に提供していくことも盛り込んだ。
 同省が22日、実需者や生産者団体を集めて開いた「日本酒原料米の安定取引に向けた情報交換会」で、対策の内容を示し、実施を促した。会合は非公開だったが、出席者によると、この日は意見がまとまらず、今後も調整を続けていくことになった。

 今回同省が示した対策では、複数年契約の拡大を打ち出した。酒造会社との結び付きがないまま酒造好適米を増産し、2015年産で需給が緩んだことを踏まえ、契約栽培の強化が必要だと判断。特に複数年契約については実需者は必要な産地品種銘柄が安定的に確保できる生産者は需要に合った生産で経営が安定できる――とした。

 ただ、複数年契約を強化するだけでは、急激な需要の増大や作況の変動への対応は困難だと指摘。酒造好適米は主食用米に転換できないため、豊作による供給過剰時は需給が緩み、不作になると日本酒の原料が不足することから、作況の変動に対応できる仕組みづくりを検討する。具体的には、売り手と買い手の双方が一定量の在庫が確保できないか提起した。

 過剰作付けを減らすため、酒造好適米などの需要量をあらかじめ産地に情報提供する仕組みも必要だとした。情報交換会やホームページ(HP)の活用を通じて、酒造会社から聞き取った産地品種銘柄ごとの需要量を伝え、生産者の作付判断に役立てる。

 酒造好適米は14年産から、生産数量目標の枠外での作付けが可能になった。15年産は主食用米の価格下落を受け作付面積が急増。豊作も重なり、生産量は約10万トンと前年より2割増え、需給が緩んだ状況になっている。

酒米取引 複数年契約拡大を 生産、実需で在庫確保 農水省提示

《日本農業新聞「e農net」》

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