農水省とJAグループが輸出規制緩和働き掛け、中国への米売り込みに向け

制度・ビジネスチャンス

 農水省とJAグループが足並みをそろえて中国への米の輸出拡大に乗り出した。今月上旬には共同で、現地で日本産米のPRイベントを開き、売り込みをかけた。来週には同省が中国農業部との次官級対話を6年ぶりに再開し、輸出の妨げとなっている規制の緩和を働き掛ける。官民が連携して巨大市場を開拓し、農林水産物・食品の輸出額1兆円という政府目標の達成につなげたい考えだ。
パックご飯で道筋 
 農水省は5、6日、中国・上海で米輸出促進イベントを開催。包装米飯(パックご飯)を使った料理教室を開催したところ定員に達し、試食もすぐになくなるなど好評だった。包装米飯は電子レンジなどで手軽に調理でき、おいしさが人気の理由だという。

 期間中はJAグループも奥野長衛JA全中会長が訪中し、上海市内の百貨店で日本の米をPRした。家庭で日本の米をおいしく食べてもらおうととぎ方や炊き方も紹介した。中国では、経済成長とともに長粒種から日本の米のような良食味の短粒種に需要が高まっている。
 日本の援助米を除く米の輸出額は7600トンで22億円(2015年)。中国向けは、香港やシンガポールよりも少ないのが現状だ。

 中国向けの精米・玄米輸出の大きな壁となっているのが、病害虫の侵入防止のための規制だ。包装米飯にはこうした植物検疫上の規制はないため、現状では包装米飯に力を入れて、今後の米輸出の先鞭(せんべん)を付ける期待もある。

 米輸出の本格化には、精米を増やしていくことが不可欠。ただ、現状は指定精米工場での精米と登録薫蒸倉庫での薫蒸が必要なため、国内で指定される精米工場1カ所と登録倉庫2カ所にとどまっている。農水省は、新たな施設の認定に向けて中国側の検討に必要な検疫上の情報を提供している。

 こうした米の検疫問題に加え、中国は東京電力福島第1原子力発電所事故を受けて、福島など10都県の食品の輸入を停止している。21日には農水省の本川一善事務次官が訪中し、中国農業部の屈冬玉副部長と会談、6年ぶりに日中農業担当省事務次官級定期対話を開催する。米をはじめ農林水産物の輸出促進に向けて働き掛けを行うとみられる。  

中国に米売り込み 輸出規制緩和働き掛け 農水省、JAグループ

《日本農業新聞「e農net」》

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