【新連載・立入勝義の米国レポート】大丈夫か?日本のマイナンバー 画像 【新連載・立入勝義の米国レポート】大丈夫か?日本のマイナンバー

IT業務効率

 出張で日本に来るたびに日本とアメリカの違いに意識がいくのはもう長い間の職業病なのだろう。ともに世界を代表する経済大国であり、インターネットのインフラなんかもかなり進んでいるわけだが、大きく異なることが多い。

 先日滞在先のインターネット回線速度を計測したら215MB/bpsというわけのわからないスピードが上り下り双方ででていてたいそう驚いた。アメリカのブロードバンドはだいぶ改善されて家庭用では300MB/bpsを提供するようなサービスもでてきているが、法人はすこぶる遅い。私がいるのはロサンゼルスだが、オフィス回線の大半はまだT1レベルである。家のほうが断然速い。

 ところで、ネットと違うところで一番気になっているのはマイナンバーの導入だ。アメリカの社会保障番号(SSN)を参考にしたようなシステムに見えるが運用方針が大分異なる。特にマイナンバーカード。日本では何故か携帯するのが前提みたいになってるようだが、アメリカでは紙ペラのSSNカードを持ち歩いてる人はごく稀だと思う。アメリカにきて20年以上になるが、これまで一度もカードの提示を求められたことはない。というのも、この番号が流出するととんでもないことになるからだ。通常は下四桁を覚えていたら事足りる。雇用先などでは給与明細の関係で番号の提出を求められるが、企業側では厳重に情報を保管する。漏洩したら一大事である。これに関連して興味深い相違が与信調査である。日本もアメリカも主だった三つの機関がそれを管理しているのだが、事故がついたら取り消しのつかない、いわば懲罰制を用いているのが日本、アメリカはクレジットスコアといわれるポイント制で、毎月増減していてすべてSSNによって紐付けられている。

 アイデンティティセフト(成りすまし)による被害が多発するアメリカではSSNの管理は最重要課題であり、それに応じてライフロックのような民間の企業がモニタリング・サービスを提供している。日本でも将来的にはそうなるのだろうが、黎明期ではリテラシーとセキュリテイ意識があまりに低く、トラブルが多発するのではないだろうか。すでに飲食店で番号に絡めたサービスを提供しようとしたところがでてきたり、二人の別人に同じ番号を発行したり、関連詐欺があったりとトラブルが絶えない。クレジット機能をもたせようなんて動きもあるとか、危なっかしくてみていられない。ただでさえお年寄りを対象にした詐欺がこれだけ蔓延している世の中なのに。

●著者:立入勝義 氏
世界銀行元ソーシャルメディア広報担当官。元ウォルトディズニーリゾートデジタルプロデューサー。北米で、ライセンシング交渉、M&A、法務交渉(対米国起業)、ローカライゼーションなど起業支援コンサルティングを行う。日本語での著作は4冊、米キンドルストアでは100冊以上を出版。
《RBB TODAY》

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