建設業界がメンタルヘルス対策に高い関心。労研調査でゼネコン半数に休業・退職者 画像 建設業界がメンタルヘルス対策に高い関心。労研調査でゼネコン半数に休業・退職者

人材

 多くの建設会社が労働者のメンタルヘルス対策に高い関心を寄せていることが、建設労務安全研究会(労研)の調査で明らかになった。ゼネコン、専門工事業者ともメンタルヘルス対策に取り組んでいない会社が他産業より多いが、回答した企業の60%以上が今後取り組む考えを示した。メンタルの不調で長期休業・退職した労働者がいると回答したゼネコンが半分近くに達し、危機感は高まっている。対策に元請の支援を求める専門業者が多いことも分かった。
 調査は、建設業のメンタルヘルス対策のあり方を検討している建設業労働災害防止協会(建災防)の要請を受けて実施した。建設業のメンタルヘルスに関する実態調査は珍しく、労研会員企業34社と、その協力会社の専門工事業者10社ずつの計374社が15年9月時点の状況を回答した。
 調査結果を見ると、メンタルヘルス対策に取り組んでいない企業は全体で67%。厚生労働省が行った調査の産業全体(39%)を上回った。「取り組み方が分からない」「効果が分からない」という回答が目立った。
 一方、メンタルの不調で1カ月以上の休業または退職した労働者がいるゼネコンは47%、専門業者は12%。10人以上という回答がゼネコンで20%、専門業者で4%あった。ゼネコンの半数以上は休業・退職からの復職率が70%を超えていたが、専門業者は「復職者なし」が44%と高かった。
 メンタルヘルス対策の今後の取り組みについては、「予定がある」「検討中」の合計が全体で60%、ゼネコンで80%、専門業者で57%と高い関心があることがうかがえる。現場には、ゼネコンと直接的な雇用関係がない専門業者の労働者が多いものの、現場レベルでメンタルヘルス対策を進めるには、専門業者の取り組みをゼネコンが支援する必要がある。
 調査では、ゼネコンによる統括管理の中で対策を「検討中」としたのがゼネコンで64%、専門業者で48%あり、双方が対策の必要性を認識。専門業者には零細企業も少なくないだけに、現場ベースの対策が実効性を挙げるにはゼネコンの支援が不可欠といえそうだ。
 企業側の意識改革も求められる。労働者に不調が生じた原因に「本人の性格」を挙げた企業が最も多く、精神保健福祉の関係者は「無理解が読み取れる」と指摘。メンタルヘルスに対する企業の理解と関心を高める対策も必要とみられる。

建設業界ーメンタルヘルス対策に高い関心/ゼネコン半数に休業・退職者/労研調査

《日刊建設工業新聞》

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