エイト日本技術開発の被災地復興事業が転換期に。福島県内の事業受託へ 画像 エイト日本技術開発の被災地復興事業が転換期に。福島県内の事業受託へ

インバウンド・地域活性

 東日本大震災から5年の節目を迎え、エイト日本技術開発の被災地復興事業が転換期に入っている。同社は複数の復興まちづくり関連業務を並行して手掛けているが、岩手県の山田町と宮古市の一部地区で事業が終盤に入り、宮城県東松島市の一部地区も今秋に造成が完了するため、山田町と宮古市の出先事務所などから、今後まちづくりが本格化する陸前高田市に所員を移す。福島県内の復興事業の受託に向けた準備体制も整える。
 同社が手掛ける復興まちづくりは、岩手県内が山田町と陸前高田市、宮城県内が南三陸町、気仙沼市、東松島市、宮古市と広範囲にわたる。
 気仙沼市と東松島市の復興まちづくりはCM業務の一翼を担う。気仙沼は市の発注による「内湾地区(魚町・南町)市街地復興土地区画整理事業」。景観、文化、産業を生かしたまちづくりを行う計画で、街から海が見えるようフラップゲート式可動堤防を採用する。社員15~16人を配置して地元調整から用地取得、換地設計、工事まで支援する。東松島市は都市再生機構の発注で、岩本方克執行役員東北支社長は「被災地で二つのCMを手掛ける建設コンサルタント会社はいない」と話す。
 同じCM方式を採用する陸前高田市の復興まちづくりも支援中だ。CM業務(受託者=清水建設)のコンサルタント部分を担うオリエンタルコンサルタンツから受託した。山を削って沿岸の低地部を全部かさ上げする。山からかさ上げ用の土をベルトコンベヤーで現場に運ぶための計画業務も都市機構から受託し、土砂搬出作業の短縮に貢献した。まちづくりの詳細設計は終わらせていたが、当初の2028年の完成目標が30年にずれ込んだ。完成時期が遅れたのは「帰宅予定者が減り、当初の区画割りを見直さざるを得なくなったからだ」(岩本支社長)。
 それでも復興のスピードは速く、東北支社の所員数を震災後に40人から80人程度に倍増させ、E・Jグループの近代設計の社員も協力している。ほとんどの社員は長期にわたって地元に張り付き、行政担当者や住民と信頼関係を築いているため、担当を外せない。支社がメンタル管理に特化し、所員を支援している。
 震災前に同社が東北で手掛けていたのは廃棄物処理事業が主な業務で、道路など本業の調査・設計業務の受託実績は少なかった。このため震災直後は沿岸部の市町村を営業部員が回った。「ありがたかったのは被災地に応援にきていた四国の自治体関係者が当社の復旧対応がしっかりしていると各地で話してくれたことだ」(岩本支社長)。こうした支援のおかげで、漁港や港湾、三陸沿岸道の事業促進PPPなどの復旧業務を受託しながら各自治体の信頼を得て、復興まちづくりにも関わることになった。東北地区の売上高は、震災前が全体の3%(5億円程度)だったのに対し、震災後は14~15%(15億円程度)に上る。
 現在、岩手県の山田町と宮古市の一部地区で支援した基盤には住宅が建ち始め、宮城県東松島市の野蒜北部丘陵地区も今秋に造成が完了し、市に引き渡す予定。山田町と宮古市は現地に復興事務所を設置して支援してきたが、今後は陸前高田市に徐々に所員をシフトする。これから震災復旧が本格化する福島県に対しては、除染で出た汚染土などの中間貯蔵施設の整備を含め大手ゼネコンと共に測量、環境調査、構造物の設計などを担う総合コンサルタント業務の受託に向けた準備を進めている。

エイト日本技術開発/被災地復興事業が転換期に/福島県内の事業受託へ体制整備

《日刊建設工業新聞》

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