小田原城天守閣改修見学会開く、最上階に天守七尊の仏教空間再現 画像 小田原城天守閣改修見学会開く、最上階に天守七尊の仏教空間再現

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 神奈川県小田原市は6日、耐震補強のため改修工事が行われている小田原城天守閣の内部を報道陣に公開した。13~14年に行われた調査によって、江戸時代の天守閣最上階に「天守七尊」と呼ばれる摩利支天をはじめとする7体の神仏像が安置される仏教空間があったことが判明。今回の改修でこの空間を再現し、約60センチの摩利支天像が「里帰り」することが目玉となっている。
 耐震補強、屋根、外壁工事は山王建設・松浦建設JVが担当。展示品を全て搬出し、最大250ミリの耐震壁を32カ所設置するプレキャスト・ブロック工法を採用した。避難路や防火扉なども新たに設置。摩利支天の空間再現は、小田原城銅門(あかがねもん)復元も手掛けたせりざわたけし工務店が担当した。
 天守閣内部の展示も一新。「小田原城を中心に、小田原の歴史的魅力を発信する」をコンセプトに据えた。1階は江戸時代の小田原、2階は戦国時代の北条五代に関する展示、3、4階には武器甲冑(かっちゅう)の展示や子ども向けのクイズコーナーなどを設け、5階の約半分が摩利支天の空間となる。
 江戸時代の天守閣にもあった直径1尺5寸(約45センチ)の八角形の「将軍柱」と、市民から寄付された一本柱には小田原のスギ材が使われた。入り口受付に小田原の職人による寄木細工のパネルを飾るなど、文化や産業を併せてアピールすることにも重点が置かれている。
 摩利支天の空間再現の施工を手掛けた芹澤毅棟梁は、「小田原の町を守ってくれた仏さまの家を一日でも長く、少しでも丈夫に作りたいという精神で臨んだ。先人から伝えられた技術を未来に伝えなくてはと思う。来場者にぜひ小田原の大工の仕事を体感してもらえたら」と話した。
 その後行われた一般見学会は、50人の定員に対し130人の応募があり、急きょ2回に分けて実施された。木材をかんなで削るなどの体験コーナーも設けられ、伝統工法による仕事を来場者に伝えていた。
 耐震改修工事は4月末まで行われ、5月に一般公開が始まる予定だ。

神奈川県小田原市/小田原城天守閣改修見学会開く/最上階に天守七尊の仏教空間再現

《日刊建設工業新聞》

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