生コン工場集約加速、首都圏周辺需要減少が経営圧迫/系列越えた協業も 画像 生コン工場集約加速、首都圏周辺需要減少が経営圧迫/系列越えた協業も

マネジメント

 首都圏周辺地域で生コンメーカーの工場集約が加速してきた。生コン需要の低迷がメーカー各社の経営を圧迫しているのが要因だ。メーカー側は、2020年東京五輪関連需要の影響が東京周辺都市にまで波及することを期待していたが、建築・土木ともに思惑通りの需要水準を満たしていないのが現状。工事現場の人手不足を背景にした建物構造のRC造からS造への切り替えも追い打ちをかけており、系列の垣根も越えた集約による収益改善を余儀なくされている。
 今年に入り、神奈川・千葉など東京近郊地域で生コンを製造・販売している内山アドバンスとトクヤマの孫会社に当たる川崎徳山生コンクリート、日立セメントグループの日立コンクリートと住友大阪セメント子会社の埼玉エスオーシーがそれぞれ、所有する工場の一部集約を相次ぎ発表した。
 内山アドバンスと川崎徳山生コンクリートは1月、内山アドバンスの川崎工場(川崎市川崎区)に川崎徳山生コンクリートの川崎工場(川崎市川崎区)を集約した。両工場が所属する神奈川生コンクリート協同組合の需要統計によると、11年度に約176万立方メートルあった出荷実績が、15年度は130万立方メートルと25%以上減少する見込みだ。
 一方、埼玉エスオーシーは、戸田工場(埼玉県戸田市)を4月以降に閉鎖。日立コンクリートの戸田橋工場(埼玉県川口市)に機能を集約する。両工場が加盟する埼玉中央生コン協同組合の管轄エリアでは、10年前のピーク時に出荷量が300万立方メートルあったが、15年度は127万~128万立方メートルと6割近く減少する見込み。16年度以降も需要が回復する見通しは立っていない。
 各社とも、工場周辺エリアでの需要減を集約に至った要因に挙げている。埼玉県のケースでは、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の工事期間中は、沿線地域での物流施設の整備も含め安定的な生コン需要が見込めていたが、圏央道の工事が終了した後、一気に需要が冷え込んだ。建築工事でも現場の人手不足に起因したRC造からS造への切り替えが進んでいるとされ、需要減に拍車を掛けているとみられる。
 ゼネコンや商社、セメントメーカーなど、出資元が同じ生コン会社同士の工場集約は需要の増減に合わせてこれまでも行われてきたが、今回の事例のように系列が異なる2社が同一の工場で生コンを製造するのは全国でも珍しいケースになる。
 埼玉エスオーシーの佐藤健二社長は「個々の合理化努力だけではカバーできないところまで需要が激減している」とした上で、「需要減少に歯止めが掛からなければ、今後は全国で工場を集約する動きが増えるのではないか」と指摘している。

生コン工場集約加速/首都圏周辺、需要減少が経営圧迫/系列越えた協業も

《日刊建設工業新聞》

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