政府と東京電力、福島第1原発廃炉へ凍土壁や敷地舗装など汚染水対策進展 画像 政府と東京電力、福島第1原発廃炉へ凍土壁や敷地舗装など汚染水対策進展

インバウンド・地域活性

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けた政府や東電による対策が進展してきた。汚染源に水を近づけないようにする対策として、先月9日に凍土方式の陸側遮水壁の設置工事が完了。雨水の浸透を抑えるための敷地舗装も約9割が終わった。溶融した原子炉燃料が構造材などと一緒に冷えて固まった「燃料デブリ」の取り出しなど廃炉に向けての課題は多いが、政府は「周辺住民に影響を与えないようしっかりと工事をしていく」(資源エネルギー庁)としている。
 取り組みは、汚染水対策と廃炉対策が大きな柱となる。汚染水対策では、昨年12月に、敷地内のトレンチにたまっていた約1万トンの高濃度汚染水の除去がすべて完了。多核種除去設備(アルプス)などにより浄化した上で、タンクへとためる作業が進められている。2月下旬時点で、約95万トン分のタンクが設置済みで、このうち約80万トンが貯留済み。セシウムやストロンチウムは取り除かれており、高濃度汚染水(RO濃縮塩水)はほぼゼロになったという。
 汚染水を増やさないため、汚染源に水を近づけない対策も展開。敷地舗装は、放射線量の高い箇所など一部を除くと本年度内に完了予定で、凍土方式の遮水壁や地下水くみ上げなど重層的な対応を図っている。
 汚染水漏れ対策の観点からは、地盤改良に加え、昨年10月に海側遮水壁が完成しており、港湾内の放射性物質の濃度が低下傾向にあるという。貯水タンクについても、初期段階では横置きタンクやボルト締めタンクが設置されていたが、より信頼性の高い溶接型タンクへの置き換えが順次進んでいる。
 廃炉への取り組みも、一歩ずつ前進してきた。震災当時、停止中だった4号機については、14年12月に使用済み燃料取り出しが完了。残りの原子炉のうち最も作業が進んでいるのは3号機だ。がれきの撤去が終わり、使用済み燃料を取り出すための装置の設置などに取り組む。1号機は、放射性物質の飛散防止のために設置した建屋を解体中だ。2号機は水素爆発が起こっていないため建屋はきれいな状況だが、内部の放射線量は依然として高い。今後、建屋上部の解体などを行っていくことになる。
 震災から間もなく5年を迎える中、構内の約9割では全面マスクが不要となるなど労働環境の改善も進んできた。昨年5月には大型休憩所の運用を開始。給食センターで調理された温かい食事も提供されている。政府は、「作業している方の環境改善も大事な仕事」(資源エネ庁)として、今後も、さまざまな観点から改善を図っていくという。

政府、東京電力/福島第1原発廃炉へ着実に作業/凍土壁や敷地舗装など汚染水対策進展

《日刊建設工業新聞》

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