建設コンサルがM&A加速! 勝ち残りへ事業多角化 画像 建設コンサルがM&A加速! 勝ち残りへ事業多角化

マネジメント

 大手建設コンサルタント会社でM&A(企業買収・合併)を加速する動きが本格化してきた。3日に日本工営が英国の建築設計大手BDPホールディングスの買収を決定。昨年11月には建設技術研究所が日総建を傘下に収めたばかりで、建設関係の多様な分野で事業を展開する「マルチインフラ企業」を目指す動きが顕著だ。=3面に関連記事
 「建築・都市開発分野で是が非でもM&Aを早期に成功させる。私の悲願だ」。日本工営が2月26日に東京都内で開いた15年7~12月期の決算説明会で有元龍一社長は建築・設計分野の企業買収を加速する考えを表明した。
 同社は14年、英国の建設コンサルタント会社ハイダーの買収手続きで苦い思いを経験している。ハイダーの発行済みと発行予定普通株式を総額463億円で取得し、完全子会社化する計画だったが、ハイダーは最終的にオランダの建設コンサルタント大手アルカディスにさらわれた。昨年夏から水面下で進められた今回のBDPの買収交渉は、決算説明会から8日後に結実した。
 14年当時の廣瀬典昭社長(現会長)が打ち出した「トップレベルのグローバルエンジニアリングコンサルタントを目指す」との経営方針を継承しつつ、有元社長はさらに踏み込んだ「総合技術コンサルティングによるグローバル展開の加速」を掲げる。
 総合技術コンサルとなるために最もこだわった分野が建築・都市開発分野で、14年12月に黒川紀章建築都市設計事務所を傘下に収めた。BDPの買収は建築・都市開発分野の強化に加え、欧州建設市場への進出の足掛かりを築いたともいえる。
 BDPは建築意匠だけでなく、構造解析と設備設計の機能も持ち、日本工営は黒川事務所とBDPという2本立てで国内外の建築設計分野に攻め込める体制が整う。
 日本工営と同様に建築設計事務所の日総建を昨年11月に買収した建設技術研究所。グループ内には土地区画整理事業を得意とする福岡都市技術もあり、日総建の獲得でまちづくり事業に参入できる体制を整えた。同社は昨年3月は科学分析などを手掛けるユニチカ環境技術センター(現環境総合リサーチ)も完全子会社化し、グループ全体の環境分野でのソリューション提供力を拡大した。
 昨年1月に鉄道関連の建設コンサルタント業務を主力とする日本交通技術から海外鉄道事業部門を取得したのは長大。同社は今年、アジア地域で鉄道関連業務を受注する公算が強くなった。
 大手建設コンサル各社は国内建設市場の縮小を見据え、事業の多角化を検討している。その具体策の一つが顧客と技術者を同時に取得でき、早期の事業効果を得られる他分野企業のM&Aだ。対象に挙がるのは建築、環境、鉄道系などの企業が多い。
 グローバル展開の有効な方法としてM&Aを積極化する動きは建設コンサルに限らず、建築設計界にも広がる可能性もある。国内建築設計トップの日建設計は昨年9月、オーストラリアの建築設計大手バガンに出資している。

建設コンサル、M&A加速/勝ち残りへ事業多角化/建築・都市開発・鉄道に照準

《日刊建設工業新聞》

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