15年度主要家畜市場、せり日削減1割強に、和子牛減少じわり 画像 15年度主要家畜市場、せり日削減1割強に、和子牛減少じわり

インバウンド・地域活性

 JA全農が和子牛の取引情報をまとめる主要な51の家畜市場のうち、8市場が2015年度、せりの開市日を前年度より減らしたことが日本農業新聞の調べで分かった。出荷頭数が減ったあおりで、1割以上の市場が規模縮小に追い込まれた。取引の間隔が空いたことで、繁殖農家が出荷には適齢でない子牛を前倒しで売らざるを得ないケースも起きている。生産者団体は「開市日の減少がさらに続けば、和牛生産全体に悪影響が出る」と懸念する。
 全国2位の和子牛取引数を誇る曽於中央家畜市場(鹿児島県曽於市)は、毎月4日間あったせりを15年度から3日間に減らした。年間では48回あった開市日が36回と、2割以上少なくなったことになる。

 繁殖農家の高齢化などの影響で市場への子牛出荷数は14年、1万7000頭と前年比で約7%減少。予定していたせりの開催を見送った月もあった。買い手である肥育農家は良い子牛を選ぶために、せりの上場頭数の多さを重視する。市場の利便性を維持する上で「開市日を減らしてでも、1日に集まる牛の数を確保する必要があった」(同市場関係者)と明かす。

 ただ、せりの減少は繁殖農家を悩ませる。山形県最上家畜市場(同県新庄市)は15年度、出荷減を見越してせりを前年度より1回少ない年間9回にし、開催月も見直した。前年まであった6、10月のせりがなくなり、出荷を予定していた繁殖農家は前倒しでの出荷を余儀なくされた。「牛の体重や体つきにばらつきが目立った」。同市場は悪影響があったことを認める。

 その反省から16年度は、せりを年間11回にまで増やす。「運営の効率性より、良い状態の子牛を出荷してもらうことを重視する」という。ただ、牛が少ない状況は変わらない。苦しい経営環境が続く見込みだ。

 生産者団体は、このまま出荷減が続けば、「開市日の削減だけでなく、市場の閉鎖や統廃合も進む恐れがある」と指摘する。地元の市場がなくなれば、繁殖農家には子牛を遠方の別の市場まで運ぶ労力が掛かる。購買者も買う子牛の選択肢が少なくなる。市場関係者は「売買する双方にとって不利益だ。生産基盤の弱体化に拍車を掛ける恐れが強い」と懸念する。

 農畜産業振興機構によると15年の全国の和子牛の取引頭数は前年比3.4%減。3年連続で減少した。(鈴木薫子)

せり日削減 1割強に 和子牛減少 じわり 15年度、主要家畜市場

《日本農業新聞「e農net」》

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