国家戦略特区での企業の農地所有解禁、限定的に容認へ

マネジメント

 自民党は23日、国家戦略特区での企業の実質的な農地所有の解禁を、厳格な条件を課した上で限定的に容認する同特区法改正案の骨格を固めた。企業が取得を希望する農地については、自治体が地権者からいったん買い取った上で、企業に売り渡す方法をとる方針。農地の荒廃時などには、自治体が買い戻すことを義務付ける方向だ。自治体の「連帯責任」を強め、耕作放棄や農業以外への利用を防ぎたい考えだ。

 企業の農地所有については、同特区に指定されている地域のうち、解禁を強く求めている兵庫県養父市に限って認める方針も固めた。期間も5年程度に限定し、実験的措置との性格を強めたい考え。地域や期間の限定で、特区を突破口に全国に広がる懸念に配慮する。同党農林幹部が同日夕の会合で確認し、各方面との調整に入った。来週前半にも党内の了解を得たい方針だが、同特区諮問会議などからは反発も予想され、予断を許さない。

 企業の農地所有には、不採算時の耕作放棄や転用目的の農地取得などへの不安が生産現場に根強い。農地の買い戻しを義務付けることで、“万が一”の事態が起きないよう、自治体の責任と自覚を強める。同党農林幹部や農水省は、リース方式の場合の契約解除に匹敵する確実な原状回復手法とみる。

 また、農地を自治体がいったん買い取った上で企業に売り渡す方法には、議会の関与によって農地の取引の透明性を強化する狙いがあるとみられる。地方自治法によって、市町村が50アール以上の面積の農地を買い入れたり売り払ったりする場合には、議会の議決が必要となるからだ。養父市は農地保全のため、農地を取得する企業から10アール当たり15万円の積立金を徴収する条例を定めているが、同党農林幹部や農水省は不十分とみていた。

 政府は今月中にも同特区諮問会議を開き、同特区法改正案に盛り込む項目などを決める方針だったが、今後の政府・与党間の調整を踏まえ、ずれ込む可能性がある。

買い戻し義務付け 養父特区限定 自治体に連帯責任 企業農地所有で自民

《日本農業新聞「e農net」》

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