【対談】広島県知事vsアスカネット社長…広島にはイノベーターを生み出すDNAがある 画像 【対談】広島県知事vsアスカネット社長…広島にはイノベーターを生み出すDNAがある

インバウンド・地域活性

 マツダにダイソー、フマキラーにアンデルセン…本社を東京に移した会社も含めれば、広島県を発祥とした大企業は枚挙にいとまがない。広島県には、脈々とイノベーターを生み出すDNAが引き継がれている。その思いを胸に、広島県では「イノベーション立県」の実現を目指し、県内でイノベーションが継続的に創出される環境の整備に取り組んでいる。

 昨年10月より株式会社リ・パブリックの主導で始まったプロジェクト「Innovators100 Hiroshima」では、県内各企業から社内での「他薦」でイノベーターとなりうる人材を募集。多数の実績を持つ講師陣によるファシリテートを受けつつ、会社という枠組みを超えて切磋琢磨する中でのイノベーションの創出を図っている。

 このプログラムをとりわけ稀有なものとしているのがボード・オブ・イノベーターズと呼ばれる錚々たる顔ぶれのメンター(導き手)の存在だ。カルビー株式会社の松尾雅彦相談役をはじめとする名だたる企業トップがずらりと名を連ね、ワークショップやフィールドワークの要所要所で直接若手に指導をするプログラムは他に類のない貴重なものだ。

 ディレクターの株式会社リ・パブリック 市川文子氏は、「縦・横・斜めの関係」が同プログラムの要であると語っているが、人選をしてプログラムに送り出し、最終的に提案された商品について判断を下す経営者と「縦」の部下である参加者、企業の枠を超えて切磋琢磨する参加者同士の「横」の絆、メンターという枠組みを超えた「斜め」の存在からの参加者の学び、というあらゆる関係性を内包する構図が、イノベーター育成の鍵となっていくのだろう。

 先日行われたInnovators 100対談企画では、元ベンチャー起業家という異色の経歴を持つ広島の湯崎英彦知事(崎の字は正しくは大の部分が立。以下同)と、空中に映像を結像する新技術エアリアルイメージングで注目を集めるなど映像技術の最先端を走る上場企業株式会社アスカネット福田幸雄社長の顔合わせが実現した。中小企業であってもその生き残り戦略の中では欠かすことのできない、イノベーションを起こす環境や心のあり方についてフランクに語り合った。

 聞き手は、豊富なリサーチの経験を元にイノベーションの生態系について研究と実践を手がけ、金融危機以後の市民主導の再生を描いた「明るい未来の作り方」(ダイアモンド・オンライン)、監訳に「シリアル・イノベーター」などがある、Innovators100 Hiroshimaディレクター 株式会社リ・パブリック 市川文子氏。


<従来のやり方では負けてしまう…
 …自分の会社をつぶすにはどうしたらいいか考えれば、新しいことが生まれる>

市川氏:お二人がイノベーションを推進する、変化へのモチベーションはどこから来ていますか。

福田社長:
 子供の頃から新しいことをやって人が驚いてくれるのが好きなんです。驚かれることで利益をあげ雇用を生み、ビジネスが成立する。そこを目指して何ができるのかをチャレンジしていくのは、すごく楽しいことですね。イノベーションには、崩すといういう意味もありますから、社員には、今のアスカネットをつぶすには何をすればいいか考えたら新しいことが生まれるぞ、と言うこともあります。

湯崎知事:
 激しい変化の中で世界と競争していかねばならない状況で、従来通りのやり方では負けてしまうし、人口減少の問題もある。イノベーションのような新しい価値を持って推進することが、社会でも経済でも求められていると思いますね。
 変化を生んだり推奨する企業は、コンスタントにふつふつと生まれ続けなくてはいけないんです。ある人がぱっと素晴らしいことをやって、それが単品で終わってはインパクトも意味もない。大切なのは継続的に続いていくことで、そのためにはイノベーションを生む土壌が必要です。
 イノベーターが孤立しては次のイノベーションは生まれません。例えば日本のサッカーが強いのは、裾野が広いからです。優れた人が数人いるからではなくて、裾野が広いからおのずと頂点が高くなる。その裾野作り、土壌作りが知事として大切だと思いますね。
《築島渉》

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