港湾老朽化対策強化、点検しやすさなど効率化に向け法改正案 画像 港湾老朽化対策強化、点検しやすさなど効率化に向け法改正案

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 国土交通省は18日、港湾法に基づく基幹施設全般の建設・改良技術基準の改定方針案をまとめた。最優先課題として07年の前回改定後に浮き彫りになった老朽化対策を強化。老朽ストックの改良設計・施工では維持管理の効率化につながる配慮事項を充実させ、点検診断がしやすい構造などを整理する。技術者の経験や知識に基づいた提案や判断を生かしやすくする合理的な設計手法も盛り込む考えだ。
 改定するのは「港湾の施設の技術上の基準」。同法で定める最上位の建設・改良技術基準で、地方自治体を中心とする港湾管理者や設計・施工業者などすべての港湾関係者向けに運用され、慣例で10年ごとに見直している。対象施設は同法の「技術基準対象施設」に当たる岸壁や堤防といった基幹施設全般。国交省は17年度に改定基準を定める改正省令・告示を決定し、18年度に施行する。
 今回の改定で最優先課題と位置付けるのが、増大している老朽ストックの維持管理の効率化。既設施設の改良設計・施工に関する項目では、施設の長寿命化や維持管理費の縮減・平準化につながるような配慮事項を充実させる。具体的には、設計では点検診断しやすい構造を整理。施工では施工不良・ミスによる構造物の劣化事例を整理し、維持管理の効率化につながるヒントを見つけてもらう考えだ。
 改良設計・施工に関する項目の充実は、港湾管理者の地方自治体に老朽化対策を促すのが目的。高い確率で発生が予測される首都直下・南海トラフ地震が起きても壊滅的な被害を回避できるようにする狙いもある。
 国交省によると、全国の主要港湾施設にある岸壁(約5000施設)のうち、供用開始から50年以上を経過するストックの割合は、現在(14年3月)の約10%から10年後には約35%、20年後には約60%にまで増える見通しだ。
 一方、設計全般の見直しでは、前回改定時に国際標準に沿って導入した構造物が寿命を迎えるまでに故障や性能の劣化が発生しないように考慮する「信頼性設計法」を簡素化する。この設計法では、性能照査に用いる係数などが高度かつ複雑過ぎて技術者が使いこなせないケースも多数発生してきたという。そこで今よりも簡単な方法へと見直す方向だ。
 《国交省/港湾技術基準の改定項目と方向性(案)》
 【維持管理・老朽化対策の強化】
 △設計・施工・維持管理の連携強化=点検診断しやすい構造、ライフサイクルコストを考慮した設計法の拡充。施工不良・ミスによる劣化事例収集
 △鋼材、コンクリートなど材料の記載更新=特に高耐久・高機能材料の内容充実
 【設計法全般の見直し】
 △信頼性設計法の見直し=新規・特殊な構造形式について簡便な照査方法を許容することも検討
 【防災・減災対策の強化】
 △耐震設計の見直し=被災事例の検証を踏まえた照査用震度見直し
 △耐波・耐津波設計の見直し=高波・高潮に対しても構造物に作用する超過外力の考え方導入検討
 【港湾技術調査】
 △調査技術のあり方=災害復旧での調査計画に関する内容拡充

国交省/港湾技術基準改定方針案/改良設計・施工は維持管理段階の効率化重視へ

《日刊建設工業新聞》

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