洋上の風車を固定、風力発電向け海洋構造物開発 画像 洋上の風車を固定、風力発電向け海洋構造物開発

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 大林組は17日、需要拡大が見込まれる洋上風力発電施設の建設向けに新型の海洋構造物「スカートサクション」を開発したと発表した。着床式の基礎や浮体式のアンカーとして用いる。頂版と頂版から下方に伸びた円筒形の鉛直壁(スカート)で構成し、スカートを海底地盤に貫入させることで、洋上風車を強固に固定する。着床式、浮体式いずれも基礎工事にかかるコストを削減でき、工期の大幅な短縮にもつながるという。
 洋上風力発電は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度などを背景に今後、普及が拡大していくとみられている。
 着床式は、比較的水深が浅い場合、浮体式は深い場合に適している。着床式はモノパイル、ジャケット、重力式などさまざまな方式の基礎が使われるが、風車の大型化や水深が深くなるにつれ、基礎が大型化し、コストがかかる。
 浮体式は、セミサブ型、スパー型、テンション・レグ・プラットフォーム(TLP)型などがある。急に水深が深くなる海域の多い国内で導入が予測されるが、着床式に比べ設置コストが高い。
 開発したスカートサクションは、スカートの貫入に、自重とバラスト(重し)、スカートと海底地盤面で囲まれた空間の水圧を低減すること(サクション)で得られる力を有効に活用する。
 着床式でモノパイルやジャケットの杭を打設する際に使う大型機械が不要になるため、無振動・無騒音で基礎の施工が可能。着床式の基礎工事のコストを約2割削減できるほか、工期を約40%短縮できる。
 浮体式のうち、特にTLP型は、余剰浮力で生じる緊張力を利用して洋上風車を海底地盤に固定する。生物への影響が小さく、係留材が少量で済むことや発電効率が高いことなどがメリットだが、設置コストが高いのが課題とされる。
 TLP型にスカートサクションを導入すると、従来のアンカーに比べ、風車本体のコストを約2割削減でき、基礎工事にかかるコストも約3割減らせる。工期も従来の半分で済む。
 砂地盤の海域で径1・8メートル、高さ4・5メートルと径2・3メートル、高さ3・0メートルの2種類の実大試験体で実験を行った。その結果、自重と摩擦抵抗で抵抗する通常の基礎に対し約3倍、自重だけで抵抗するアンカーに対しては約5~8倍の引き抜き抵抗があることを実証できたという。

大林組/洋上風力向け新型海洋構造物開発/基礎・アンカーを代替、短工期・低コスト

《日刊建設工業新聞》

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