進む水道施設の老朽ストック、更新促進に向け法改正議論へ 画像 進む水道施設の老朽ストック、更新促進に向け法改正議論へ

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 厚生労働省は17日、水道法の改正に向けた議論を本格的に始めた。法改正の目的は、老朽ストックが増大している水道施設の更新促進と、指定給水装置工事事業者制度の適正化。老朽施設更新の促進では市町村を中心とする水道事業者に対し、長期的視点で投資の抑制と平準化を両立できる戦略的な老朽化対策の実施を新たに義務付ける。
 今後、厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)の生活環境水道部会(部会長・大垣眞一郎水道技術研究センター理事長)で具体的な改正事項を詰め、来年の通常国会に改正法案を提出する。
 施設更新を促進する背景には、水道の中心施設である管路の老朽ストックが増える一方、更新率が落ち込んできたことがある。管路ストックの総延長約66万キロのうち法定耐用年数(40年)を超えたストックの割合は、直近の2014年に8年前(06年)の倍となる12・1%に増加。半面、更新率は14年に13年前(01年)の半分となる0・76%へと落ち込んだ。
 厚労省は、老朽施設を放置すれば現在と同水準のサービスを提供できなくなると判断。人口減少とともに水道料金収入も減り、設備投資に使える予算も限られることから、水道事業者に戦略的な更新の実施を新たに義務付ける。
 施設更新の実効性を高めるため、国や都道府県による市町村への働き掛けを強化する規定も導入。更新計画の策定や見直しを直接指示できるような仕組みを検討する。
 96年に創設された給水装置工事事業者制度は、宅地内の給水工事の品質を確保するため、工事を行うことができる業者を、一定の技術レベルを満たすことを条件に市町村などが指定した業者に制限する制度。ただ、指定業者の間で水道事業者への届け出をせずに工事を行ったりする違反行為が横行。工事後に連絡手段が途絶えたりといった顧客とのトラブルも相次いでいる。
 法改正では、こうした問題への対応策として、事業者指定に新たに更新制を導入する方向だ。
 〈法改正に向けて検討する主な事項〉
 【老朽施設の更新促進】
 △水道事業者に対する戦略的な更新・修繕・耐震化の義務付け
 △水道事業者に対する更新需要(対策内容・実施時期・費用)の公表義務付け
 △国・都道府県からの水道事業者に対する更新計画の策定・見直し指示
 △給水区域縮小時の手続き簡素化
 【指定給水装置工事事業者制度の適正化】
 △指定業者に対する更新制導入
 △配管技能者の適正配置促進
 △指定業者向けの講習会受講促進
 △選任主任技術者向けの講習会受講促進
 △処分環境の整備。

厚労省/水道法改正へ議論開始/戦略的更新義務付け、業者指定に更新制導入

《日刊建設工業新聞》

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