農業参入企業7割が「農地はリースで十分」…所有は経営リスク 画像 農業参入企業7割が「農地はリースで十分」…所有は経営リスク

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 日本農業新聞は、農業参入した一般企業など50社を対象に、農地所有に関する緊急調査を実施した。7割がリースのままで十分で、「所有の必要性はない」と回答した。農地を買い取っても採算に合わないなどの理由を挙げる。農地所有を望むのは1割にとどまった。政府は、国家戦略特区での企業の農地所有を検討している。しかし調査では、多くの企業が所有に大きなメリットを感じず、中長期的な農地の適正管理にも不安があることが浮き彫りになった。 
 調査は50社に「企業が農地を所有できるようになった方が良いか、現状のままが良いか」を理由を含め聞いた。「所有の必要性はない」と回答した35社(70%)のうち24社が、経営上の判断を挙げた。

 具体的な理由として「農業経営が厳しい」(東海の食品会社)、「経営資産として農地の魅力はない。リースでまったく支障がない」(中国の建設会社)といった声が出ている。「鳥獣害が深刻で、所有までしたいと思える農地がない」(九州の建設会社)とする企業もある。

 また、4社が「農地を維持管理できるか不安」との理由から、農地所有は不要とした。これらも農業経営の難しさが理由にあるとみられ、農地の将来にわたる管理が"荷物"になりかねないと受け止める企業もある。

 一方、農地を「所有したい」としたのは6社(12%)で、「前向きに責任を持って農業ができる」「ハウスを建設した農地だけは所有したい」などを理由に挙げる。「農地価格が今後下がれば購入したい」(関東の食品メーカー)との意向の企業もあった。

 「どちらとも言えない」は9社(18%)だった。理由として「リースより採算性が合えば検討したい」(関東の企業)と、様子見の動きもみられる。「簡単に農地転用できるなら所有したい」(東海の企業)と、転用を視野に所有を望む企業もあった。 

 賛否にかかわらず、企業にとっては、農地価格の高さが経営上の難しさになっている。農水省によると、農地価格はリース料の96年分に相当し、農地を購入した投資分を農業経営で回収するのは困難とみる。

 アンケートは16、17の両日実施。農水省と地方農政局がホームページで公開する一般法人の参入事例から50社(特定非営利活動法人含む)を無作為に抽出し、電話で聞いた。

農地所有「不要」7割 農業参入50社 採算性、管理に不安 本紙調べ

《日本農業新聞「e農net」》

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