鹿島、技研水理実験施設の設備更新、高さ20メートル相当の津波再現可能に 画像 鹿島、技研水理実験施設の設備更新、高さ20メートル相当の津波再現可能に

インバウンド・地域活性

 鹿島は、技術研究所(東京都調布市)の海洋・水理実験棟内にある水理実験施設「マルチ造波水路」の設備を更新した。ポンプの回転数と向きの制御によってさまざまな波形の津波を再現できる実験施設で、今回の更新でポンプの性能を向上させ、送り出せる水の量を増やした。これにより、100分の1縮尺実験で従来の倍に当たる最大20メートル相当の津波高を再現することが可能になった。より再現性の高い多様な水理実験を行うことが可能になるという。
 マルチ造波水路は主に、通常の波を再現する「不規則波造波装置」と、津波を再現する「津波造波・環流装置」の2種類の装置で構成。津波を再現する場合、津波造波・環流装置であるポンプを操作することで任意の波形を作る。従来は10メートル相当の津波高を再現するのが限界だったが、東日本大震災で想定を超える津波が発生したことから、あらゆる想定に対応できる再現実験のニーズが急増。同社はこれに対応する目的で設備を更新した。
 設備更新により、東日本大震災で観測された津波波形(2段型波形)の再現実験や、発生が懸念されている南海トラフ巨大地震による想定津波高の実験も可能になった。水路の幅も従来の0・7メートルから1・2メートルに拡張。計測機器や模型を設置しやすくなり、利便性も向上した。
 同社は15日、更新したマルチ造波水路を報道機関に公開。10メートル相当と20メートル相当の津波をそれぞれ再現し、防潮堤に見立てた模型がある場合とない場合とで、水路上に設置した建物模型への影響の違いを示す実験を行った。
 今後、マルチ造波水路を港湾・海洋構造物に関する研究開発に積極的に活用。より安全性の高い海洋・港湾構造物建設技術の確立や沿岸域の防災・減災対策に役立てる。

鹿島/技研水理実験施設の設備更新/高さ20メートル相当の津波再現可能に

《日刊建設工業新聞》

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