青果物輸出で鮮度保持コンテナ輸送、実用化に手応え

インバウンド・地域活性

 青果物の輸出拡大に向けて、CA(大気調整)コンテナを使った船舶輸送に注目が集まってきた。航空便より安く、通常の船便より鮮度が長く保てる利点がある。いち早く目を付けた、海外展開する外食店や卸売会社は、野菜や果実の本格輸送を展開。県など自治体も実証試験に取り組む。
 CA技術は、国内で1970年代からリンゴの貯蔵で使われている。輸送技術として注目されだしたのはここ2年ほど。政府が成長戦略に農林水産物・食品の輸出額倍増を掲げたことも弾みになっている。

 国内総合物流会社大手の郵船ロジスティクス(東京都港区)は「青果物輸出は、成長が見込める分野」と、昨年11月からCA技術を導入した輸送サービスを始めた。商業ベースでの受注はないが、試験輸送を検討する行政などから問い合わせが多いという。

 タイで長崎ちゃんぽんを提供するリンガーハット(東京都品川区)は昨年12月末から、CAコンテナでキャベツを日本から輸送する。タイのグループ店で使うキャベツ全量を、日本産に切り替えるため、1週間に1回、500~600キロを輸出する。

 輸送は船便で8、9日、通関で3日かかるが、鮮度は保たれるという。現地のキャベツに感じる渋味がなく、「他の飲食店で味わえない甘味が差別化につながっている」と話す。他の野菜も段階的に日本産へ切り替えを進める予定だ。

 果実では、福岡大同青果(福岡市)がイチゴ「あまおう」の香港向け輸出に取り組む。「着荷状態は完璧」(同社)と手応えを感じる。輸送費は、県調べで航空便の10分の1。その分、販売価格を抑え、富裕層向けの高級店だけでなく、中間層向け量販店に売り場が広がった。輸出量は2013年が80トン、14年が85トンと伸び、15年は円安もあって「倍増する」とみる。

 国は20年をめどに、青果物の輸出を250億円まで引き上げる目標を掲げる。県など自治体もCA輸出に注目し、茨城県は栃木、群馬両県と協力し、農産物を3週間輸送すると想定した実証試験に取り組む。季節ごとにメロンやイチゴ、サツマイモなどをCAコンテナ内に保管。鮮度を保てるか調べている。

 農林水産政策研究所は「海外での日本産の競争力を高めるには、品質を保ちながらコストを下げる必要がある。CAコンテナなど船便の利用拡大は、輸出の増加に不可欠」と話す。

<ことば> CAコンテナ

 温度調節ができる冷凍コンテナの一種で、内部の空気の酸素濃度を下げ、青果物の鮮度を保つ機能が付いている。酸素が少ない庫内では、青果物の呼吸が抑えられるため、糖類や有機酸の消耗が少ない。果実などでは、成熟を進めるエチレンの発生も抑えられる。CAは、Controlled Atmosphere(大気調整)の略。

青果物輸出 鮮度保持コンテナ輸送 実用化に手応え 企業

《日本農業新聞「e農net」》

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