労働力の過不足調整で農繁期把握と産地間連携、農水省が新規事業

マネジメント

 農水省は生産現場の労働力不足の解消に向け、2016年度から新規事業に乗り出す。農業者やJAなどが地域で協議会を立ち上げ、品目ごとの作業のピーク時期や農家数などをデータベース(DB)化。季節によって労働力が足りない品目と、余っている品目との間で融通できるようにする。産地間の調整もできるようにする。労働力を提供する側には、長期間働く場が確保されることで参加しやすくなる効果も期待される。
 高齢化や農業者の減少を受けて、生産現場では労力不足が深刻化している。特に手作業が多い園芸は、労力が掛かる種まきや収穫といった作業が適期にできていない実態もある。対策として同省は、農繁期に作業を手伝う「援農隊」を支援してきたが、それでも労働力は足りていない。

 同省は、援農隊や企業などへの作業委託をさらに進める必要があると判断。16年度当初予算案に「農業労働力最適活用支援総合対策事業」(2億5000万円)を計上し、効率良く作業委託できる仕組みづくりや人材育成に取り組む産地への支援に乗り出す。

 農業者やJA、市町村などでつくる協議会が、産地単位で「労働力確保戦略センター」を設けるのが要件。ここを拠点に、労働力がどの程度不足しているか把握するため、農業従事者数や平均年齢、作業のピーク時期を調べる。これらをDB化し、農繁期に不足する労働力をカバーできる体制を整備する。DB化に必要な経費の半額以内を助成する。

 品目が少ないと、作業を請け負う側が継続的に働くことが難しくなることから、DBを活用して農繁期の異なる複数品目を組み合わせ、長期間作業できるよう調整する。近隣の産地と連携して、複数産地で長期間作業できる体制もつくる。

 作業を担う人材の確保もセンターの役割だ。農業に興味のある人を対象とした求人イベントを開く他、農作業の研修の機会を設ける。援農隊などに育成した人材の加入も働き掛ける。この他、産地の負担軽減へアシストスーツなどを共同利用する仕組みも整える。

 各センターの取り組み状況を集約し、優良事例の発信を担う全国段階の「労働力確保最適活用システム協議会」も立ち上げる。同省は「事業を3年間継続し、有望な取り組みを見いだして全国に啓発したい」(技術普及課)とする。

労働力の過不足調整 品目ごとに農繁期把握 産地間で連携も 農水省が新規事業

《日本農業新聞「e農net」》

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