海上輸送ならコスト最大9割減、果物の鮮度保つコンテナ試験へ

海外進出

 JA全農は、鮮度が重視される青果物の輸出に空輸よりも費用が安い海上輸送を利用するため、温度や酸素濃度などを調節し鮮度を保つ「CA(大気調整)コンテナ」を使った試験を始めた。コンテナ数を集約するため複数品目を混載し、どの品目も高品質を保てるCAの最適条件を探る。最大で費用を空輸の1割程度にまで抑えられると見込み、輸出拡大や農業者の所得向上を目指す。2018年度までに輸送方法を確立したい考えだ。
 全農の青果物輸出は従来、果皮が固く日持ちするリンゴや梨を冷蔵コンテナで海上輸送し、日持ちしにくいイチゴや葉物類を空輸してきた。CAコンテナを導入すれば海上輸送でも農産物の鮮度を一定程度保てる上、青果物を満載するなど条件によっては費用を空輸の1、2割程度に抑えられると見込んでいる。

 全農は1月中旬、台湾にイチゴ、柿、梨、葉物類など9品目を輸出。今月10日にはシンガポール向けにイチゴや葉物類など26品目をCAコンテナで輸出する。今後、香港、タイ向けでも試験し、複数の品目を混載できる温度や酸素濃度などを分析する。また輸送時の揺れで青果物が傷むのを軽減するため、全農などが開発した衝撃を吸収する段ボール箱の活用も検討する。

 全農は輸出の拡大に向け「ノウハウの蓄積が必要」(営農販売企画部)と説明しており、輸出先の需要を踏まえ、試験を繰り返していく。

 CAコンテナを満載にして輸出する場合、売り先の確保も重要だ。全農はJAグループの商品を販売する店舗の確保を進めており15年度末までにシンガポール、香港、台湾、タイ、英国の5カ国・地域で200店舗となる見込みだ。シンガポール、台湾、英国の各1店舗ではテスト販売用の常設棚を設置し、現地客のニーズを把握するとともに商品の定番化を目指す。

青果物輸出 コンテナ混載試験 費用減へ海上輸送 全農

《日本農業新聞「e農net」》

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