地盤工学会、基礎杭問題再発防止へ中間提言「地盤調査多く実施を」 画像 地盤工学会、基礎杭問題再発防止へ中間提言「地盤調査多く実施を」

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 地盤工学会(東畑郁生会長)は8日、基礎杭工事に関する中間提言を発表した。既存の地盤情報に基づき地盤調査計画を立案し、可能な範囲で多く調査を実施するよう提案。新しい品質管理方法や地盤調査手法の開発・実用化とともに、地盤情報の収集・活用をさらに進めることの必要性も強調している。地盤専門の技術者が建築基礎の設計・施工に参画できる環境整備や、建築分野で地盤工学に精通した技術者の育成を推進することも盛り込んだ。
 同学会は横浜市都筑区のマンションで発覚した基礎杭工事のデータ流用問題を受け、「『杭の諸問題』に関する特別委員会」(委員長・古屋弘同学会副会長)を設置した。地盤工学の観点から再発防止に向けた提言を15年度内にまとめる。提言では技術者倫理には触れないものの、「提言の実現に向け現行の法制度で不足しているものは指摘する」(古屋委員長)方針だ。
 今回まとめた中間提言は、▽適切な地盤調査計画を立案し可能な範囲で多く調査を実施▽新しい品質管理方法や地盤調査手法の研究開発・実用化▽地盤情報の収集・活用の一層の推進▽技術者が設計・施工に参画できる環境の整備▽建築分野での技術者育成の一層の努力-の5項目で構成する。
 地盤特性を的確に把握するため、周辺の地形・地質、既存の地盤情報に基づき適切な調査計画を立案。必要な数量のボーリング調査だけでなく、できる限り多くの調査を実施するよう提案し、そのためコストに配慮した新しい地盤調査手法の確立も求めた。
 既存の地盤情報は極めて有用だとし、地盤情報の収集・活用の推進を要望。東畑会長は「土地は個人の資産だが、地盤は国民の共有財産だ」と主張し、公共と民間がそれぞれ保有している地盤データを一元化することの重要性を指摘している。
 同学会の会員構成を見ると、建築系の会員は6%にとどまる。こうした現状を踏まえ、中間提言では、同学会を含む関係機関が建築分野で地盤工学に精通した技術者の育成にさらに努めるよう要望している。
 最終提言では、中間提言の5項目を骨子にしながら、「工学的見知をさらに盛り込む」(古屋委員長)方針。提言は国土交通省などに提出する予定だ。

地盤工学会/基礎杭問題再発防止へ中間提言/地盤調査、できる限り多く実施を

《日刊建設工業新聞》

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