建機メーカーに中国経済の減速直撃、新車販売に頼らぬ戦略模索 画像 建機メーカーに中国経済の減速直撃、新車販売に頼らぬ戦略模索

マネジメント

 建設機械メーカー大手各社の業績が悪化している。各社がこれまで特に力を入れる市場と位置付けてきた中国での需要減が最大の要因だ。急成長を続けてきた中国経済の減速は資源需要も冷え込ませ、新興国での鉱山機械需要の停滞にもつながっている。日本や欧米などの先進国では一定の需要が見込めるものの、いずれも市場は成熟しており、今後の急成長は望めない。中国市場に回復の兆しが見えない中、各社とも成長戦略を描きにくくなっている。
 コマツと日立建機が1月に発表した15年4~12月期決算によると、コマツの建設機械・車両部門は、グループ内販売を除いた売上高が1兆2844億円(前年同期比5・2%減)、営業利益が1369億円(20・3%減)と不振だった。日立建機も、売上高が5491億円(5・3%減)、営業利益が122億74百万円(72・4%減)と大きく落ち込んだ。
 このうち中国向けの売上高は、コマツが前年同期比39・9%減の522億円、日立建機が36・2%減の357億円といずれも4割近い減少。マイニング本体の売り上げも低調で、コマツが12%減の1137億円、日立建機が12%減の307億円とそろって2桁の落ち込みになった。
 住友重機械工業の15年4~12月期は、海外子会社も含めた建設機械部門の売上高が2・2%減の1415億円、営業利益が79・4%減の22億円。グループの住友建機の中国向け油圧ショベルの売り上げ台数は、15年度通期でほぼ半減を見込んでいるという。コベルコ建機も15年4~9月期の段階で売上高が前年同期比13・4%減の1470億円。うち中国向けは販売台数ベースで約4割減少した。
 日立建機の辻本雄一社長は日刊建設工業新聞の取材に対し、「中国の需要はピーク時の約8分の1に落ち込んでいる」と話す。コマツの大橋徹二社長は「中国市場は改善の兆しが見えない」という。
 こうした状況に対し、各社は新車販売だけに頼らない経営基盤の構築に力を入れている。コマツは、IoT(モノのインターネット)技術やICT(情報通信技術)を活用して測量や施工図面の3次元データ化、施工計画の作成など、現場の生産性向上を図る「スマートコンストラクション」事業を昨年、本格始動させた。
 日立建機は、部品・サービス部門に力を入れる一環で、建機の稼働情報や位置情報を遠隔管理するシステム「コンサイト」を、中国を含むアジアや欧州などで展開している。将来的には、収集したデータを新車の研究・開発にも反映させていく計画だ。
 キャタピラージャパンの竹内紀行シニアアドバイザーは「(中国市場の停滞が)グループ全体に大きな影響を与えている」と指摘。同社を含むキャタピラーグループは、業績悪化に伴うグローバル拠点再構築計画に着手した。国内では、工場の統廃合を順次進めていく予定だ。

建機メーカー/中国経済の減速直撃/視界不良、新車販売に頼らぬ戦略模索

《日刊建設工業新聞》

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