震災復興は5年でどう進んだ? 土木学会など建設各団体がシンポ 画像 震災復興は5年でどう進んだ? 土木学会など建設各団体がシンポ

インバウンド・地域活性

 東日本大震災の発生から3月11日で丸5年となる機会を捉え、建設に関連する学術団体が集まり、これまでの研究成果を発表する大規模な報告会やシンポジウムが3月に東京都内で企画されている。被災直後から土木、建築の技術者らとともに現地に入り、復旧支援に奔走した学識者も多い。その貢献は甚大な被害が出た原因の究明、インフラの基準類の見直し、被害の推定手法の提案、復興住宅の建設やまちづくりに関するものなどさまざま。研究者らの知見は被災地の復興や将来の大規模地震への備えにどう生かされるのか。各団体の発表にも熱が入りそうだ。
 1月28日に東京・四谷の土木学会講堂で行われた同学会地震工学委員会主催の「2011年東北地方太平洋沖地震5周年講演会」。同委員会の下で構造物の耐震基準の新たな考え方や地震・津波複合災害の推定手法の確立、橋梁の被害分析などを担当してきた小委員会の代表らによる発表には、企業の技術者や大学の研究者ら100人余が詰め掛けた。
 地震工学委員会の澤田純男委員長はあいさつで「これまでの研究成果があまり知られていなかったため、報告会を開いた」と周知活動の不十分さに反省の弁を述べた。こうした反省は多くの学協会にあり、「3・11」の前後に東日本大震災から5年の活動成果を振り返る大規模なシンポジウムや報告会を企画する動きが活発化している。
 土木学会は3月1、2日、東京・虎ノ門の発明会館で「この5年間を復興の加速と次への備えに活かすために」と題したシンポジウムを開く。後援団体は日本建築学会、日本都市計画学会、日本原子力学会、地盤工学会。復興と防災・減災に関する6件の重要な研究活動を報告する。
 1日目は、▽減災アセスメント・津波総合減災を目指して(座長・岡安章夫氏)▽「危機耐性」を考慮した耐震設計体系/試案と実装に向けた課題(座長・長尾毅氏)▽福島第一原発事故由来の放射性汚染廃棄物対策の着実な推進に向けて~福島の早期の復興を目指して~(座長・大西有三氏)。2日目は、▽災害対応のソフト~人・組織・地域~(座長・須藤英明氏、松本直也氏)▽東北の津波被災地復興の経験から何を学ぶか(座長・岸井隆幸氏)▽福島第一原発事故被災地の復興をどう進めるか(座長・家田仁氏)▽この5年間を復興の加速と次への備えに活かすために(座長・佐藤愼司氏)。
 日本建築学会は3月12日、東京・芝の建築会館ホールで「専門的知見はどこまで生かすことが出来たか」と題するシンポジウムを開く。後援団体には土木学会、日本都市計画学会、農村計画学会、空気調和・衛生工学会、建築設備技術者協会、日本建設業連合会、日本建築家協会、日本建築構造技術者協会、日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本都市計画家協会が並ぶ。
 2部制で、第1部は内藤廣東大名誉教授と中井検裕東工大教授による「総論編・東日本大震災における専門家の貢献と課題」、三浦俊徳宮城県土木部次長らによる「具体編・復興事業における建築業務の位置付けと役割」と題した講演、第2部では内藤氏、中井氏、三浦氏らも参加した「研究者と実務者のクロストーク」が行われる。
 いずれのシンポジウムも定員は300人で、多くの問い合わせが来ているという。
 首都圏直下地震の発生で大きな被害が懸念される東京都も3月11~13日に開催する「防災展2016」で専門家による「東日本大震災の実体験に基づく公助の限界と自助・共助の重要性」をテーマにしたセミナーを開き、都民に減災への備えで周知を図る。

東日本大震災から5年/3月に学術団体らが大規模シンポ/防災・減災に知見生かせ

《日刊建設工業新聞》

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