長野のレタス栽培、沖縄に技術“のれん分け”

インバウンド・地域活性

 夏レタスの一大産地である長野県川上村が、沖縄県恩納村で冬のレタス栽培の技術指導に乗り出した。恩納村での試験栽培は順調で、川上村は栽培指導の事業化も視野に入れている。恩納村にあるリゾートホテルや米軍施設などの豊富な需要に、地産地消や出荷リレーで対応する考えだ。
・販路拡大、輸出も視野

 両村は農業視察などを通じて30年来の交流があり、恩納村の冬と川上村の夏の気温がともに20度前後と似ていることから「レタス提携」を発案した。沖縄の方言で「仲間」を意味する「シンカ」プロジェクトと名付け、栽培指導を始めた。

 発案者で川上村の野菜農家、遠藤喜幸さん(61)ら8人が指導を担う。恩納村は役場職員と3人の農家が参加する。JA長野八ケ岳とJAおきなわは、肥料や農機具など資材を提供する。

 試験栽培する農地は40アール。サンゴ礁由来の石灰土壌のため、長野県の研究機関に土のサンプルを送って分析した。その分析結果から10アール当たり3トンの堆肥を入れて深耕し、レタスに適した中性~弱酸性の土壌に改良したという。

 遠藤さんらは昨年11月、川上村で育てた10品種の苗を試験地に定植。1月上旬に収穫し、試食会で高い評価を得た。強い海風による風害が課題だが「10月から3月末まで3作はできそう」と手応えをつかんでいる。現在は2月下旬の収穫を目指し、恩納村で育苗したレタスを栽培中だ。

 恩納村によると、基幹作物のサトウキビは、収益性が低く、耕作放棄地が多い。レタス栽培を根付かせ、若い新規就農者を呼び込みたい考えだ。栽培を教わる村職員の伊佐章吾さん(31)は「川上村の活力を恩納村に取り入れたい。産地化できれば輸出も視野に入る」と期待する。

 川上村は同プロジェクトを村の総合戦略の施策として実行。レタス栽培の技術を競合しない産地に“のれん分け”し、川上村産と合わせた通年での販路確保を目指す。技術指導の事業化も視野に入れる同村の藤原忠彦村長は「今回のプロジェクトはあくまで交流の充実がメーンだが、産地化が成功すれば川上村としても新たな展望が開ける」と意欲をみせる。

沖縄でレタス栽培 技術“のれん分け” 長野県川上村

《日本農業新聞「e農net」》

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