震災での津波被害の仙台湾南部海岸、復旧工事が3月完了へ 画像 震災での津波被害の仙台湾南部海岸、復旧工事が3月完了へ

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 ◇延長29Km、国が堤防整備/粘り強い構造採用
 東日本大震災の津波で甚大な被害が出た仙台湾南部海岸(仙台市~宮城県山元町)に堤防を築く本復旧工事が、3月中におおむね完成する見通しとなった。同海岸では震災で延長60キロにわたる砂浜海岸が被災し、約900億円に上る被害が発生。被災した全延長の半分となる29キロの復旧を宮城県に代わり国が手掛けた。仙台空港や下水処理場などが背後にある合計約10キロの堤防整備を先行して進め、震災発生から5年の節目となる3月で、工事が完成するめどが付いた。
 仙台湾南部海岸は仙台市から山元町に至る延長約60キロの砂浜海岸。震災で堤防など海岸保全施設が破壊された。仙台空港や南蒲生浄化センターなど背後地の基幹施設も水に浸かり、機能停止に追い込まれた。
 延長29キロの復旧事業は、仙台河川国道事務所が担当した。11年8月までに応急復旧を終え、12年1月に本復旧に着手した。
 本復旧工事では、津波の再来に備えてTP(標高)7・2メートルの堤防を構築した。13年3月までに、仙台空港などの重要施設を津波から守る合計5キロの堤防を先行して完成させた。
 事業では、国が県から整備を請け負った区間も含め、全体を大きく七つの工区に分けてゼネコンなどに工事を発注。今年3月までに約94%の堤防整備が完了する見通しとなった。東北整備局は3月上旬に完成式典を行う方向で調整している。
 事業区間のうち、名取市の閖上漁港の北側に位置する深沼南工区(井土浦地区)は、湾と井土浦に挟まれたスペースに堤防を設ける必要があり、高い施工技術が求められた。国が整備を代行し、工事を前田建設に発注した。
 堤防を築く延長1770メートルのうち1170メートルの区間に、一般的な傾斜堤よりも敷地の制約を受けにくいCSG堤防を東北の直轄海岸堤防では初めて採用した。
 東日本大震災では大津波が越流し、陸側の堤防のり面が崩れ落ちるケースが多発したことから、天端やのり面に厚みのある部材を用い、強度を高めるなど粘り強い構造を採用した。
 工事を進めるに当たり、建設資材が不足する事態を見越してコンクリート二次製品を活用したほか、仙台市と名取市の区間などでは復旧延長の半分以上の盛り土にがれきを活用した。

東北整備局/仙台湾南部海岸本復旧工事(仙台市~宮城県山元町)、3月完成へ

《日刊建設工業新聞》

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