鹿島ら3社が「地下トンネル長距離水中流動充てん材」開発…福島第1原発の汚染水対策 画像 鹿島ら3社が「地下トンネル長距離水中流動充てん材」開発…福島第1原発の汚染水対策

マネジメント

 鹿島、東京電力、東京パワーテクノロジー(東京都江東区、原英雄社長)は26日、福島第1原発事故の汚染水対策として、配管やケーブルを収納している地下トンネル(海水配管トレンチ)内を充てんするための長距離水中流動充てん材を開発したと発表した。材料となるセメントや混和材などの配合を工夫し、材料が分離せず品質を維持したまま水中100メートルにわたり充てんできる。2~4号機のタービン建屋とスクリーンポンプを結ぶトレンチに充てんし、有効性を確認した。
 福島第1原発では、タービン建屋から高濃度汚染水が海水配管トレンチに流入し、早期の対策が求められている。解決策として、長期の安全性・安定性の観点から汚染水をセメント系の充てん材に置き換える方法を採用した。
 地下20~30メートルに位置するトレンチは、断面が内径約4メートルの馬てい形で延長60~70メートルの規模。作業員の被ばく線量と汚染水漏れのリスクを最小限にするため、中間地点に充てん材の打設杭を設けず既設の立坑から長距離充てんできるよう、材料や配合を選んだ。
 開発した充てん材は「Hilo」(ヒーロー)という名称で、構成材料の重量(キログラム)は、1立方メートル当たり、水が660、高炉セメントB種が350、日本工業規格(JIS)II種のフライアッシュが513、水中不分離性混和剤が30、高性能減水剤が39、消泡剤が1・5。
 室内実験と50メートル、100メートルの水中流動実験を行い性能を確認した上で、現場に導入した。線量の比較的低い5~6号機の近くにバッチャープラント5基を構築(製造能力は1時間当たり50立方メートル)。製造した充てん材をアジテーター車で運搬し、立坑に設置した打設孔からコンクリートポンプで充てんした。
 最も長いトレンチで流動距離は86・6メートルとなり、反対側の立坑で充てん材の到達状況と高さを管理した。2号機は23回(約3600立方メートル)、3号機は22回(約3100立方メートル)、4号機は4回(約500立方メートル)の作業で充てんを完了。昨年12月21日に全工程を終え、2~4号機のトレンチ内に滞留していた約1万トンの汚染水を除去することができたという。
 Hiloには、非JIS規格品のフライアッシュなどを使うことも可能。第1原発では、他のトレンチなどの充てんにも使われている。一般的な使用方法として、「使われなくなった上下水道管や炭坑の充てんに応用できる」(鹿島の担当者)としている。

鹿島ら3社/地下トンネル長距離水中流動充てん材開発/福島第1原発の汚染水対策向け

《日刊建設工業新聞》

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