2015年版、日本の労働生産性・全要素生産性にみる日本の中長期の課題 画像 2015年版、日本の労働生産性・全要素生産性にみる日本の中長期の課題

人材

 公益財団法人・日本生産性本部は、日本の労働生産性の動向や国際比較などをまとめた「日本の生産性の動向 2015年版」を公開した。そこから見えてくる日本の労働力問題を考えてみたい。

 そこで言及されている「労働生産性」とは、労働者1人あたりが単位時間内に生み出す成果を指標化した数値。この資料によると、2014年度の日本の「名目労働生産性」は770万円で、前年から0.9%上昇。3年連続の上昇が続いている。しかし実質労働生産性上昇率は「-1.6%」と、2009年度以来5年ぶりのマイナスとなった。

 さらに国際的に見た2014年の日本の労働生産性は「769万円(72,994ドル)」と、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国のなかで21位だった。21位は2005年から長らく続いている順位で、主要先進7か国のなかでもっとも低い水準となっている。なお、就業1時間あたりの労働生産性は「4349円(41.3ドル)」で、こちらも21位。

 かんばしくない結果が報告されたが、2010年代の全要素生産性上昇率は「+0.8%」と比較的好調。「全要素生産性(TFP)」とは、工学的な技術革新や経営革新、労働能力向上などで引き起こされる「広義の技術進歩」を表す指標のこと。

 数値は2000年代後半の「-0.4%」から大きく改善した形になる。こちらはOECD主要19か国のなかでは、韓国(+1.6%)、オーストラリア(+1.0%)、ドイツ(+0.9%)に次ぐ第4位だった。

 全要素生産性の上昇率は、主要国でも二極化しているのが現状。これは欧州での経済不安が影響を及ぼしており、イタリア(-0.4%)や英国(-0.3%)はマイナスとなった。

 以上の結果について、日本は1人あたりの生産性の効率は低いが、技術革新・経営革新によって先進国では比較的高い生産性を維持できていると分析可能だ。しかし、今後の傾向として、少子高齢化、経済的不安からくる晩婚化など労働人口の減少は避けられないといわれている。
《HANJO HANJO編集部》

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