東ティモールへの水支援で国際的なブランディング確立へ…福井県大野市長

インバウンド・地域活性

とともに、東ティモールへ水支援活動を進める
  • とともに、東ティモールへ水支援活動を進める
  • 【写真2】大野市長の岡田高大氏。豊かな水資源を持つ同市の地域活性化を推進
  • 【写真3】「Carrying Water Project」のビジョンと狙い。最終的に産業の創出と人材を輩出し、人口の減少を食い止め、定住を促す
  • 【写真4】日本ユニセフ協会 会長 赤松良子氏のあいさつ。「水は非常に大事なもの。東ティモールの山から、子供たちに清潔な良い水を届けていく。素晴らしいアイデアを提案してくれた大野市に心から御礼を申し上げたい」。
  • 【写真5】日本ユニセフ協会 団体・組織事業部長の千寿満城氏
  • 【写真6】東ティモールの2地域と学校に、3年間で計6基の重力式給水システムを設置する予定
  • 【写真7】すでに日本ユニセフの支援で重力式給水システムが引かれている。写真は水環境が改善された小学校の事例
  • 【写真8】謝意を表明する駐日東ティモール臨時代理大使のエヴァンジェリーノ・ゴメス氏
 福井県大野市は、2015年5月より人口減少対策プロジェクトの1つとして、街のアイデンティティである「水」をテーマとした「Carrying Water Project」をスタートし、地域創生に向けたブランディング活動を展開中だ。1月26日、同市は本プロジェクトの一環として、日本ユニセフ協会とパートナーシップを締結し、アジアで最も水環境に恵まれない東ティモールへの水支援活動を進めることを発表した【写真1】。

 発表会では、まず大野市長の岡田高大氏【写真2】が、同市の歴史やCarrying Water Projectの内容について触れた。大野市は、北陸の山々が連なる福井県東部に位置する3万人の小さな都市だ。市内に一級河川が3つあり、古くから城下町がつくられ、日本でもいち早く上下水道が整った場所だという。地下水が日ごろの生活水として使われ、豊かな湧水の恩恵を受けている。

 岡田氏は「しかし近年は人口減少の問題があり、次世代に大野市をつなげていかなければならないという課題があった。類まれない水の恩恵を受けるこの地域について、市民や関係者に再認識してもらい、自信と誇りを取り戻すために“Carrying Water Project”を始めた」と説明した。

 このように同市では水に関する意識を高め、市民が一致団結・協力・共創しながら、雇用創出や地域の活性化を目指している【写真3】。さらに今回、日本ユニセフ協会との協力により、オーストラリアの北に位置する島国・東ティモールへ水の支援活動も進める運びとなった。

 岡田氏は「大野市は“結”(ゆい)の国、越前おおのをブランド・キャッチコピーとして、街づくりを推進している。結は、互いに助け合い、支え合い、思いやるという伝統的な日本の心であり、文化でもある。これを世界に向けた実践活動の1つとしてとらえ、東ティモールへ支援を行っていく」と、同国への水支援の経緯について説明した。

■2017年1月から3年間にわたり、6基の「重力式給水システム」を設置
 続いてユニセフの会長である赤松良子氏【写真4】が挨拶に立ったのち、同協会の千寿満城氏【写真5】が具体的な水事業の取り組みについて紹介した。これまでユニセフでは100以上の国や地域で、子供たちに清潔な水を届ける活動を展開してきた。

 ユニセフでは「子どもにやさしいまち事業」(Child Friendly Cities)も進めている。これは、国連総会で採択された「児童の権利に関する条約」を地方自治体が具現化していく事業であり、このユニセフのプロジェクトを大野市が支援し、ユニセフと共同で東ティモールをサポートすることになったわけだ【写真6】。

 「東ティモールは水源や衛生施設が最も少ない国だ。改善された飲用水を利用する人の割合もアジアで最下位。水場が近くになく、遠く離れた水源まで、子供たちが何度も往復して水を運ばねばならなかった。多くの学校では水道管も引かれおらず、基本的なサービスが十分に行き届いていない」(千寿氏)。
《井上猛雄》

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