前田道路、高強度と機能維持を両立する舗装の長寿命化技術開発 画像 前田道路、高強度と機能維持を両立する舗装の長寿命化技術開発

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 前田道路は、舗装体だけでなく、透水性や騒音低減などの機能も長寿命化する技術を開発した。アスファルトに特殊添加剤を混合し、水分によって硬化反応させることで、機能を含めて舗装体を高強度化するのが特徴。一般的な合材工場や舗装機械で製造・施工でき、リサイクルも可能だ。供用可能な年数が伸びるため、ライフサイクル全体でコストメリットを発揮する。機能性の高い舗装を長寿命化する技術として提案活動を進め、採用につなげていく考えだ。
 温度に影響されやすいアスファルト混合物は、路面温度が上昇すると軟化と流動によりわだち掘れが発生。一方、路面温度が下がると硬化するため、ひび割れが生じやすくなる。そこで同社は高温で硬くなり、低温で軟らかくなる混合物を開発した。
 アスファルトに特殊潤滑油を添加した混合物で、施工時に散水することで添加剤が化学反応を起こし、強度発現する仕組み。室内評価を経て、舗装の部分補修に適用。工場内道路では3年以上、高速道路のETCレーンでは2年以上が経過しているが良好な状態を維持。わだち掘れやひび割れに対する抵抗性や長期的な供用性に優れ、高強度・高耐久な構造体を実現している。
 雨天時の透水性や走行視認性、騒音低減などの機能を持つポーラスアスファルト舗装は、骨材の飛散や空隙(くうげき)のつぶれが発生しやすい。同社は特殊添加剤をポーラスアスファルト舗装に適用し、実用化にめどを付けた。
 ポーラスアスファルト舗装特有の空隙つぶれに対する抵抗性を検証した結果、通常のポーラスアスファルト舗装は徐々に浸透水量が低下したものの、特殊添加剤を用いたポーラスアスファルト舗装は浸透水量がほとんど低下しなかった。空隙がつぶれにくい材料であり、長期にわたって透水性能を持続する。路面温度が高くても骨材がほとんど飛散しないことも確認した。
 同社は土木研究所と共同で試験施工を実施した。転圧後の散水以外は、一般的な舗装機械を使って通常の工程で施工。混合物は既存の合材工場で製造した。施工後30分で交通開放でき、初期わだちの抑制にも有効であることが分かった。
 イニシャルコストは、通常のアスファルト混合物と比べ15~20%程度上昇するが、舗装の供用期間が延長されるため、ライフサイクルコストは最大で約50%削減できるという。再生骨材として使用できることも確認済みだ。
 同社は現在も試験施工工区で路面調査を継続中。さらに騒音対策に用いられる小粒径のポーラスアスファルト舗装への適用についても検証を進める。コスト面を含め、実用化から汎用化に向けた課題解決に取り組んでいく。
 同技術は、日本道路建設業協会の第19回舗装技術に関する懸賞論文で1等に選ばれた。

前田道路/機能的舗装の長寿命化技術開発/特殊添加剤で高強度発現と機能維持両立

《日刊建設工業新聞》

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