食品宅配、お試しセット注文増…「失敗イヤ」の消費者意識影響 画像 食品宅配、お試しセット注文増…「失敗イヤ」の消費者意識影響

マネジメント

 青果物のインターネット通販や食品宅配事業で、初回限定で購入できる「お試しセット」に注目が集まっている。通常の半値程度と割安なケースが多く、テレビCMなどの宣伝効果もあり、消費者も気軽に購入しやすく、注文件数を伸ばす業者が相次いでいる。マーケティングに詳しい専門家は「増税などで家計が厳しく、興味はあっても買い物に失敗したくない、と考える消費者が増えている」と指摘する。
初回限り割安が人気 有機や低農薬野菜の宅配事業を展開する、らでぃっしゅぼーや(東京都新宿区)は、旬の青果や加工品10~12点入りのお試しセットを、通常より50~55%安い1980円で販売している。

 旬に合わせて月に1回、中身を変更して消費者を飽きさせないよう工夫する。スマートフォン(多機能携帯電話)でのネット注文にも応じる。昨年の注文件数は一昨年の2、3倍に増加。月別にみると、6倍になった月もあった。

 同社は「同業他社がお試しセット事業に参入しているため、相乗効果で売り上げが伸びている」(広報)とみる。

 食品の宅配事業を展開するパルシステム生協連合会(東京都新宿区)も、利用者を増やすきっかけとしてお試しセットを準備する。果実や卵などの生鮮食品、加工肉、乳製品、レトルト食品などを組み合わせたものを、1000円、500円と二つの価格帯で販売。いずれも通常の半額で購入できる。

 通常の商品の配送は生協の配送員が担うが、お試しセットに限り、宅配便での配送となる。同生協連によると、専門の配送員からの宅配を「敷居が高い」と感じる消費者も多いため、注文しやすいよう宅配便を採用している。昨年9月にテレビCMを放送したこともあり、9~12月は一昨年と比べ1.5倍の注文が寄せられたという。

 有機野菜などのネット通販を手掛けるオイシックスも、お試しセットを取り扱う。販売数は年々右肩上がりで、累計販売数は昨年100万セットを超えた。スーパーに同社の商品を並べた専用の売り場を設置するなど、実店舗での露出が増えたことから「注文へのハードルが下がっているのではないか」(広報担当)とみる。

 インターネットで総合情報サイトを運営するオールアバウトが、さまざまな業界の専門家900人を対象に15年の消費傾向についてアンケートを実施。その結果、15年の特徴として「買う前に試す」消費者が多かったことが分かった。

 企業のマーケティング戦略に詳しい経営コンサルタントの安部徹也さんは「消費者の買い物に失敗したくない意識が強まっている。今後多くの企業でお試しモデルが広がっていく」と分析する。(金子祥也、丸草慶人)

「買い物 失敗させません」 “お試し”注文増 青果物ネット通販、食品宅配

《日本農業新聞「e農net」》

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