ヒ素含有土丹塊、従来の3倍処理できる新工法…大林組 画像 ヒ素含有土丹塊、従来の3倍処理できる新工法…大林組

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 大林組は20日、首都圏などで多く発生する自然由来のヒ素含有土丹塊を浄化する新工法を開発したと発表した。泥水式シールド工事で発生するヒ素汚染泥水に、特殊な鉄粉を混ぜてヒ素を吸着させ取り除く技術を改良。硬い土丹塊を確実に破砕・粉砕することで泥水化を可能にすると同時に、泥水の受け入れ、鉄粉吸着、鉄粉分離、回収鉄粉の受け入れという一連の工程を自動で連続処理できるようにした。処理能力が従来の3倍に高まるという。
 鉄道や道路、共同溝などの地下構造物が多い都心では、大深度地下に構造物を建設する工事が年々増加している。大深度の地層には、自然由来のヒ素が含まれる場合があるため、汚染土壌からの掘削土は専用の許可施設などで適正に処分する必要があり、多額の処分費用が課題となる。
 大林組は、泥水式シールド工法で発生するヒ素汚染泥水を省スペースで大量に浄化できる工法を13年に開発。この工法は土圧式シールド工法で掘削した発生土も水を加え泥水化することで適用可能だが、首都圏の大深度には硬質粘土層を含む地層があり、土丹塊は水を加えても泥水化できないため、対応可能な浄化技術が求められていた。
 新工法は、掘削時に発生する粒径300ミリ程度の土丹塊を粗破砕装置により100ミリ以下に粗破砕し、その後2ミリ以下に粉砕する2段階の破砕システムを採用。硬い土丹塊を効率的に破砕し、内部に含まれるヒ素を確実に水に溶出させて鉄粉に吸着できる。
 埼玉県川越市の同社東京機械工場に実証システムを構築。縦120メートル、横100メートルのスペースに粗破砕処理、粉砕・分級処理、鉄粉洗浄処理の各装置を設けた。
 吸着層内の撹拌(かくはん)方法を改善することで、従来より鉄粉とヒ素の接触効率を高めた。吸着層と遠心分離装置を従来の1基から4基に増やしたほか、配管ラインやレイアウトも工夫。これらにより、効率良く大量の汚染土を処理できるようになった。
 土壌溶出量基準値以下の汚泥として搬出できるようになり、専用施設での処理が不要。処理費用を大幅に低減できる。対象土量5万立方メートルの場合、15%のコスト削減が可能になるという。今後、トンネル工事や大深度地下建設工事に積極的に採用提案していく。

大林組/ヒ素含有土丹塊の連続処理工法開発/確実な破砕・粉砕で泥水化可能に

《日刊建設工業新聞》

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