【地元から日本を盛り上げるキーパーソン】主婦3人から始まった町ぐるみの6次化、道の駅もてぎ 画像 【地元から日本を盛り上げるキーパーソン】主婦3人から始まった町ぐるみの6次化、道の駅もてぎ

インバウンド・地域活性

 行政が農家に柚子の作付を推奨し、それを道の駅が全量買い付け。敷地内の工房で加工するという、まさに町ぐるみの6次化で成功している地域がある。栃木県の南東部に位置する茂木町。この取り組みが評価されて、15年には国土交通省から全国に6か所ある道の駅“全国モデル”の1つに選ばれている。

 しかし、12年に道の駅もてぎで「もてぎ手づくり工房」が完成したとき、職員として集まったのは、町内に住む3人の主婦だった。もちろん商品の開発などは全くの未経験。そこから一体どうやって6次化を成功させたのか? 町役場の職員として道の駅に常駐している堀江順一氏に話を伺った。

■農家の柚子生産を町が100%支える

 かつて茂木町には煙草の専売公社があり、葉タバコの生産で賑わっていた。しかし、昭和50年代になると専売公社が撤退したことで、町では多くの農家が廃業に追いやられる。農地が荒れていく中で、町民たちが注目したのが山に自生していた柚子の木だった。

 東北のあるジャムメーカーで採用されたこともあり、茂木での柚子の生産は徐々に軌道に乗っていく。町でも柚子の作付を推奨していく中で、声が掛かったのが96年に設立した道の駅もてぎだった。

 道の駅もてぎは本田技研工業のサーキット「ツインリンクもてぎ」の誘致に合わせ、町内におけるおもてなし施設として完成。町主導による地域振興の拠点としての役目を期待され、初年度から黒字続きの人気スポットとなっていく。その中で、農家が安心して生産に専念できるようにと始めたのが、生産された柚子の買い取りだった。07年には全量買付に踏み切り、職員が企業をまわって柚子の売り込みを始める。

「ところが、これが全然相手にされなくて。なら、柚子を材料に商品を作ってもらおうとしても、今度はロットの問題が出てくる。賞味期限が半年のジュースを10万本の単位で作ったとして、人口1万3000人の茂木町ではどうしても消費しきれません」

 やがて、11年に東日本大震災が発生すると、それまで右肩上がりだった経営にも陰りが見え始めた。この状況を打開するには、新たな取り組みが必要になる。そんな町と道の駅の意向が重なりあって、柚子を用いた6次産業化の取り組みはスタートした。

《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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