「弥生」が領収書スキャン入力に対応、仕訳も自動 画像 「弥生」が領収書スキャン入力に対応、仕訳も自動

制度・ビジネスチャンス

 弥生は19日、「ペーパーレス経理」推進施策発表会を開催。同社の会計ソフトで29日から、新たにレシートなどの紙証憑のスキャン取り込みに対応すると発表した。

 これは、同社の会計ソフト「弥生会計」および「弥生会計オンライン」と連携する「YAYOI SMART CONNECT」に新機能として追加されるもの。「YAYOI SMART CONNECT」ではこれまで外部データの取込み、および自動仕訳といった機能をクラウド上から提供していた。

■ “仕訳”と“入力”を自動化する

 発表会では代表取締役社長の岡本浩一郎氏より、まずは同社が推進している“会計業務3.0”についての説明があった。これは、かつて紙とそろばんで帳簿を起こしていた処理を“会計業務1.0”と位置付け。さらに、PCソフトによる集計や転記の自動化を“会計業務2.0”とし、そこから更なる自動化を図ったものになる。

 会計業務3.0の大きな転機になったのが、2014年7月にスタートした「YAYOI SMART CONNECT」だった。このサービスでは銀行明細、クレジットカード明細、クラウド上の請求書などを自動で仕訳。会計作業における証憑の整理、伝票の入力といった部分を新たに自動化するにいたった。

 今回提供される新機能「スキャンデータ取込」は、これをさらに一歩進める形となる。小規模事業者で年間310枚(同社調べ)にも及ぶという、レシートや領収書の処理業務を自動化。年間24時間に及ぶという作業時間を、5時間まで短縮できるという。

 具体的にはスキャナで取り込んだ紙証憑をOCR処理してテキストデータ化。これを、同社の会計ソフトに取引データとして自動で登録する。この時、科目などについては自動で仕訳が行われるため、ユーザーは一切の登録作業をする必要がなくなるとのことだ。

 紙証憑からはスキャンされるのは、日付、金額、取引相手といった内容。レシートには企業名や店名がロゴで記載されているものも多いが、その場合には読み込んだ電話番号を元に、店舗情報を参照する仕組みを用意した。

■レシートを連続読み込み、ロゴ店名も認識

 会場では実際に新機能のデモが行われた。まずは、同社の会計ソフトで「かんたん取引入力」を利用した場合、「よく使う取引」から科目を選択し、手段(支払い方法)、金額を手入力する必要があった。

 一方で、「スキャンデータ取込」を利用する場合には、「YAYOI SMART CONNECT」の「スマート取引取込」のメニューから機能を呼び出し。あとは、スキャナにレシートを連続して読み込ませられる。2枚同時に読み込ませた場合にも、きちんと別の取引として認識されていた。

 作業後にはスキャン画像とともに、OCR認識したデータが取引ごとに表示されるので、次々と確認ボタンを押すだけ。すると、「取引一覧」に登録したデータが表示される。なお、確認操作については、ユーザーの設定で省略できるとのことだ。

 実際に自動仕訳されたデータを確認すると、ロゴとしてレシートに記載されたセブンイレブンの店名も、きちんと「適用」欄に表示されていた。飲食店のものは交際費として、郵便局のものは通信費として、自動的に仕訳されている。

■領収書の保管がいらない世界に

 電子帳簿保存法におけるスキャナ保存制度については、この1月から規制緩和が始まった。これにより電子証明の添付、関連帳簿の保存、金額の制限などが撤廃されている。

 これに合わせて「スキャンデータ取込」ではタイムスタンプ機能、および電子化文書の検索機能を搭載。さらに、スキャン作業の作業者や第三者承認のログを残すことで、スキャナ保存制度に対応した。今後は小規模事業者にも負担をかけない形で、原本となったレシートや領収書の破棄が可能になるという。

 なお、ペーパーレスでの運用には所轄税務署長への事前申請が必要となるが、これについては記載方法を分かりやすく明記したテンプレートを提供。運用に求められる適正事務処理要件を満たすための社内規定、業務マニュアルについてもテンプレートを用意するという。

 さらに、「スキャンデータ取込」の提供に向けて、「スキャナ無償レンタル」キャンペーンが19日にスタートした。これは既存ユーザーであれば、「あんしん保守サポート」の「トータルプラン」の加入者が対象。さらに、15年1月以降に起業した会社、弥生PAP会員の会計事務所から紹介を受けた場合にも、弥生製品を新規に購入した場合は対象となる。キャンペーンの対象者には、PFU製「ScanSnap iX100」が5年間無償でレンタルされる。申込期間は12月31日まで。

 かつてスキャナ保存制度に対応するには、スキャナの導入やシステム開発などで約180万円の初期投資が必要だったという。また、運用においてもタイムスタンプの打刻などに、約30万円のコストが必要だった。このため同制度の承認を受けた事業者は、全国でも133件しかなかったという。

 しかし、「スキャンデータ取込」であれば、キャンペーンの利用でスキャナが無償で提供されるほか、タイムスタンプの打刻にも料金が発生しない。もちろん、同社の会計ソフトの購入、「あんしん保守サポート」などへの加入は必要となるが、追加で導入や運用にコストを掛けずに、ペーパーレスな会計環境を実現できるのが最大の魅力となっている。

 そのほか、無償でレンタルされるスキャナを有効活用するために、協賛5社から無償の特典も用意された。例えば、「Evernote」であれば、プレミアム無償クーポンを提供。名刺管理の「Sansan」であれば、名刺ストレージ500枚分が無料となる。

■会計の自動化はさらに進む

 弥生会計では今後、会計業務3.0の更なる深化を目指していくという。2016年秋には銀行APIからの直接取込みを予定。紙証憑のスマートフォン撮影についても、規制緩和に合わせて対応していくという。

 また、デモではスキャン画像がPCに取り込まれ、そこからSMART CONNECTに転送されていた。しかし、2016年春には「ScanSnap Cloud」に対応することで、SMART CONNECTとの直接連携が可能になるとのことだ。

領収書はスキャンするだけ、「弥生」の入力不要でペーパーレスな新機能……電子帳簿保存法の緩和も影響

《とびた》

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