政府が「旧38条認定」建築物の増改築規制を緩和 画像 政府が「旧38条認定」建築物の増改築規制を緩和

マネジメント

 ◇スタジアムや超高層対象
 政府は12日の閣議で、改正建築基準法の詳細な運用ルールを定めた施行令を決定した。2000年に同法からいったん削除された「旧38条大臣認定」を取得して建設されたスタジアムなどの大規模建築物と高さ60メートル以上の超高層ビルについて、増改築を促す規制緩和ルールをそれぞれ規定。いずれも主な構造や設備などが現行法令に適合しない既存不適格のままでも特例として増改築を行えるようにする。改正施行令は、改正法と同じ6月1日に施行する。
 旧38条認定は、法令では対応できない革新的な構造や技術などの採用を、個別の建築プロジェクトごとに大臣認定で特例的に認める仕組み。東京都庁舎や東京ドームなど1980~90年代に建設された多くの有名大規模建築物に活用されている。38条認定は、昨年6月に一部施行された改正法で、15年ぶりに復活している。
 今回の増改築規制の緩和では、旧38条認定ストックの多くが設備などの更新期を迎えつつある中、防火・避難類の構造・設備が現行法令に適合していなくても増改築を行えるようにする。
 具体的には、3階建て以上の建築物に義務付けられる消防隊向けの非常用進入口の設置規制を撤廃。消防車などが余裕を持って出入りし消火・避難活動に対応できる広さのある開口部やグラウンドなどの空間を確保できれば、非常用進入口を設置しなくても増改築ができるようにする。今後、新たな38条認定を取得して新築する建築物も同様に扱う。
 この規制緩和ルールは、主にスタジアムの増改築への適用を想定している。消防車などの進入や活動に十分な広さのある開口部やグラウンドがあるケースが大半で、周辺には最寄り駅と直結するペデストリアンデッキが設置されているケースも多い。非常用進入口の設置義務がなくなれば増改築に当たって余分な手間とコストを省けるとみている。
 全国に約3000棟ある現行建築基準法令に適合しない既存不適格の超高層ビルの増改築規制も緩和する。現在は増改築の規模に関係なく既存部分を含むビル全体を最新法令に適合させる必要があるが、小規模な増改築なら既存部分の適合義務をなくす。
 既存部分と構造上一体となるイベント広場の整備や、竣工後に開業した最寄りの地下鉄駅との連絡通路の設置を行いやすくし、運営収益源の多様化や来訪者の利便性向上につなげる。
 国土交通省は今後、超高層ビルの小規模増改築の規制緩和要件を定める告示も整備する。
 改正建築基準法施行令の要旨は次の通り。
 【旧38条認定ストックの増改築規制緩和】
 △防火・避難類の構造・設備に関する規制緩和(非常用進入口の設置を必要としない建築物の対象拡大)
 【超高層ビルの増改築規制緩和】
 △既存不適格のまま増改築を行える特例対象への追加
 【特定行政庁への定期点検結果報告制度厳格化】
 △対象建築物の決定権者を特定行政庁から国に変更
 △対象要件を3階建て以上延べ100m2以上の不特定多数利用施設などに一律化
 △対象に防火設備・昇降機・遊戯施設を新規規定
 【伝統的工法利用の普及促進】
 △金具を使わない伝統的工法を普及するため、地震による床組みの変形防止方法などについて技術基準類整備
 【型式適合認定の規制緩和】
 △対象に現行の建築設備を含めた建築物の型式と併せ、建築設備を除いた型式も追加。

旧38条認定ストックの増改築規制緩和/政府、改正建基法施行令を決定/6月1日施行

《日刊建設工業新聞》

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