「木造住宅向けリング摩擦ダンパー」をE&CS・飛島建設・ニッパツが共同開発 画像 「木造住宅向けリング摩擦ダンパー」をE&CS・飛島建設・ニッパツが共同開発

マネジメント

 飛島建設の子会社E&CS(川崎市高津区、沼口栄助社長)と飛島建設、ニッパツは8日、木造住宅向けのリング摩擦ダンパーを共同で開発したと発表した。S造やSRC造に用いるリング摩擦ダンパーを木造用に改良。筋交いと置き換えることで耐震性能を高めることができる。建築基準法で定められた耐力壁の強さを表す数値「壁倍率」は2・3倍で、国土交通相の認定も取得済み。木造住宅メーカーなどに新築用として売り込み、16年度に300本、17年度に1000本の販売を目指す。
 開発した「木造用リング摩擦ダンパー」は、制震ダンパー部に長さ調整用鋼管(ダンパーベース)を取り付け、木造住宅に適した形状にした。制震装置はC形リングと呼ぶ円環状の鋼材をロッドにはめ込む機構。外径はリングの19・3ミリに対し、ロッドが20・0ミリと大きく、リングの締め付けで摩擦力が発生し減衰効果を得られる。
 工場で製作したダンパーを現場に持ち込み、接合金物で筋交いと同じように柱頭と柱脚に斜めに取り付ける。作業に必要な器具は電動ドリルドライバーとレンチだけで、施工性が高いのも特徴だ。全体で外径48・6ミリと細い形状にしたことで、壁内補強が可能。ダンパーはすべて鋼材のため、メンテナンスフリーを実現するとともに、外気温にかかわらず一年を通じて一定の性能を確保できるという。
 国土交通省が定める壁倍率取得要件に適合しており、構造部材として使うことが可能。「壁倍率2・3倍という数値は、現在までに発表されている木造用の制震摩擦ダンパーでは最大」(担当者)としている。
 東日本大震災以降、各地で地震が頻発しており、高い耐震性能を備えた木造住宅を望むユーザーが増加している。従来の木造住宅では、余震など繰り返しの地震でビスの抜けや筋交いの損傷による耐震性能の低下が指摘されている。
 新ダンパーは、15年末時点で東京都内の一戸建て住宅の耐震補強用などとして、2件(計6本)で採用されている。3社は、さらに高い壁倍率と性能を目指し開発を継続。同時に、木造住宅メーカーや建材商社に販売する流通経路を確立していく。

E&CS、飛島建設、ニッパツ/木造住宅向けリング摩擦ダンパー開発/壁倍率2・3倍

《日刊建設工業新聞》

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