横浜、相模原両市でポスト五輪2大プロ/計画実現の胎動強まる 画像 横浜、相模原両市でポスト五輪2大プロ/計画実現の胎動強まる

インバウンド・地域活性

 横浜市と相模原市で10年先を見据えた二つの大規模プロジェクトが産声を上げようとしている。臨海部にハーバーリゾートを整備する「山下ふ頭開発」計画と、リニア新幹線開業を見据えた「相模原・橋本駅周辺開発」計画の二つだ。いずれのプロジェクトも経済波及効果は大きく、経済界が寄せる期待は強い。

 ◇山下ふ頭地区開発―スポーツ・エンタメ機能集積で国際競争力強化◇

山下ふ頭開発(横浜市中区)は、山下公園や元町・中華街からつながる山下ふ頭(約47ヘクタール)に、大規模集客施設やホテルなどを備えたハーバーリゾートを整備するプロジェクトだ。民間の資金やノウハウなどを活用するPPP(官民連携)手法で開発を進める方針で、カジノを含むIR(統合型リゾート)の導入なども視野に入れている。山下公園側の約13ヘクタールについては、東京五輪が開かれる2020年の一部供用を目指して先行的に事業を推進。全体完成は25年ごろを想定している。

 IRの導入に関しては、先の通常国会で継続審議となった「特定複合観光施設区域整備推進法案」(IR推進法案)の動向次第であり行政サイドは慎重な姿勢を見せるが、横浜商工会議所などでもIRについての検討に着手する方針で、経済界からの期待は大きい。

 「横浜市山下ふ頭開発基本計画検討委員会」(委員長・森地茂政策研究大学院大教授)の答申では、大規模集客施設やコンベンション機能、スポーツ・エンターテインメント機能などの集積を打ちだしている。対象地区は繁華街の元町や中華街、山下公園と隣接する一帯。現在は主に本牧ふ頭や大黒ふ頭などで扱うコンテナの開梱(かいこん)・梱包(こんぽう)を行うバックヤードとしての役割を担っている。

 ゾーニング案によると、南側(山下公園側)の入り口部分に交通ターミナル、山下公園から連続する部分に緑地と水際沿いのにぎわいゾーンを配置。中心部には新たな横浜のシンボルとなる大規模施設を設置する。大規模施設としては、コンベンション施設や、野球場などのスポーツ施設、エンターテインメント、文化・芸術などの施設を想定している。北側(ふ頭側)には三つある突堤(A~C)のそれぞれに、海外からの集客にも対応する滞在型施設を整備。山下公園側の突堤には大型クルーザーなどの客船が接岸できるようにする。

 市のイメージするハーバーリゾートは、羽田空港からの観光客やパシフィコ横浜(みなとみらい21地区)に来場するコンベンション利用者の取り込み。山下ふ頭地区の大規模集客施設など、アフターコンベンション機能を集積することで、横浜の国際競争力を強化する狙いだ。シンガポールのマリーナベイサンズをイメージしたホテルやドーム球場などの整備を求める声もある。

 市は現在、山下ふ頭地区の土地・建物所有者と公共上屋などの専用使用者56社を対象に、説明会や個別面談などで移転調整を進めている。移転は2期に分けて行う方針で、移転先については新山下地区(中区)と南本牧Eブロック(同)の2カ所を基本として交渉を進める方針。その他の用地も近隣地区で幅広く検討するとしている。

 MICE(国際的イベント)施設の拡充ではパシフィコ横浜の隣接地(みなとみらい21中央地区20街区)に、PFI事業によりMICE施設を新設する。また、みなとみらい21地区の60・61・62街区でも、観光とエンターテインメント機能を軸に中~大規模施設を整備し、都心臨海部の集客拠点形成を図る計画だ。対象エリアは約8・3ヘクタール。横浜駅やパシフィコ横浜にも近接しており、同地区でも最大規模の開発になる見通しだ。

日刊建設工業新聞

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