ローコスト・ローリスクの洋上風力発電、導入加速へ 画像 ローコスト・ローリスクの洋上風力発電、導入加速へ

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 国土交通省は16年度から、地方自治体が管理する港湾区域で洋上風力発電設備の導入を加速する。発電事業を行う民間事業者を、公平性・透明性の高い公募型の方式で選定する手続きを創設。選定した事業者には、数十年の長期にわたり、発電設備の設置に必要な水域の占用を許可することを前提にする。民間事業者にとっては、設備を長期間、安定的に運営できるようになれば事業資金も調達しやすくなり、参入意欲が高まるとみている。
 同省は、新たな手続きなどを盛り込んだ港湾法の改正案を今国会に提出。成立すれば、16年度中の施行を目指す。
 洋上風力発電をめぐっては、沖合での浮体式発電設備の実用化に向けた実証事業が各地で進められる一方、沖合に比べて災害リスクが低く、送電コストが安い港湾区域での導入促進に対する期待も高い。そこで国交省は港湾法を改正し、港湾区域で民間事業者が発電事業を行いやすくなる仕組みを整えることにした。
 柱の一つが、港湾区域内の水域を長期にわたり占用する民間の発電事業者を公募方式で選定する手続きの導入。自治体が占用を許可する際の選択肢に加える。
 現在は、発電事業を希望する事業者から港湾区域の占用許可申請があれば、その都度、事業者の適性を判断した上で許可を与えている。公募方式を採用すれば、発電事業に意欲がある事業者を広く募ることができ、許可の公平性と透明性も向上。コスト縮減など、より優れた技術やノウハウを持つ事業者に占用許可を与えることが可能になる。
 新たな手続きでは、港湾管理者の自治体が公募占用指針を策定。発電事業を希望する民間事業者は公募占用計画を港湾管理者に提出する。港湾管理者は最も適切な計画を提出した事業者を選び、計画を認定。これに基づいて占用を許可する。国交省によると、こうした公募方式で事業者が選ばれた事例はない。
 もう一つの柱が、占用許可期間の長期化。現在は、占用許可期間を慣例で5年前後としているケースが多い。その期間には、最長3年程度かかる環境影響評価などの法令手続き期間が含まれ、実際の事業期間が短いことも少なくない。当初見込んでいた売電収入を確保できないうちに許可期間が切れ、発電設備の撤去を求められるケースも多いという。
 占用許可期間を長期化する代わりに、民間事業者には発電設備の戦略的な維持管理計画の策定を求め、港湾区域の安全や設備の適正な維持管理を確保する。
 国交省は、占用許可期間が数十年に延びれば、民間事業者にとっては事業の採算が見込みやすくなり、金融機関などからの資金調達の円滑化にもつながるとみている。
 国交省によると、13年10月末時点で港湾区域(臨港地区含む)にある風力発電設備全109基のうち、洋上にある設備は19基にとどまっている。

国交省/港湾区域の洋上風力発電導入加速/占用者選定に公募方式、許可期間を長期化

《日刊建設工業新聞》

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