“元テレビ工場”の今…転嫁先で目立つのは? 画像 “元テレビ工場”の今…転嫁先で目立つのは?

インバウンド・地域活性

 関西でテレビ工場が物流拠点に生まれ変わる例が相次ぐ。家電大手は海外勢の台頭でテレビ事業の価格競争力を失い、縮小や撤退を余儀なくされている。工場閉鎖などに伴う遊休地の転用で目立つのが物流施設だ。昨今の物流に求められる機能は多様で施設内には働く人員も多い。産業の新陳代謝で、地元に雇用と税収を確保する効果も期待される。

 パナソニックのテレビ事業発祥地、茨木市松下町で2015年12月、物流施設の起工式が行われた。17年11月にヤマトグループの総合物流ターミナル「関西ゲートウェイ」として稼働する計画だ。ヤマトホールディングス(HD)大谷友樹上席執行役員は「物流に付加価値をつける拠点を探していた」と明かす。

 関西最大級の新拠点はBツーB(企業間)、BツーC(対消費者)で関西圏に即日配送を実現する役割を担う。かつて同地はテレビの主力工場であり、各地へ出荷するトラックが盛んに往来した。名神高速の茨木インターチェンジに近く、東西南北に高速道路が延びる結節点に立地する。

 パナソニックから12万平方メートルの敷地を取得したのは大和ハウス工業だ。約500億円を投じて、ヤマト専用施設を建てる。残る敷地も物流施設を予定。パナソニックが残している一部機能も5年以内に転出する計画だ。

 大和ハウス浦川竜哉常務執行役員は「次の産業への転換を、お手伝いするのが使命だ」と示す。14年3月のテレビ生産終了は地元に大きな衝撃だった。しかし物流適地という地の利を生かして、最新物流拠点に再生する。

 パナソニックはプラズマディスプレイ(PDP)の尼崎第3工場(兵庫県尼崎市)も15年秋、物流不動産投資のセンターポイント・ディベロップメント(東京都港区)に売却。最新鋭パネル工場としては短命に終わったが、改装して物流施設としての”第二の人生“を歩むことになる。

 経営再建中のシャープも、堺市堺区の大型液晶工場に隣接して遊休地を抱えており、現金化を急いでいるようだ。交渉相手として名が挙がる大和ハウスの幹部は「(交渉は)金額とタイミング次第」と話す。

 産業構造の転換に合わせて土地の役割も変わる。関西で今、物流施設の建設ラッシュが続くが、一部には過剰供給を心配する声も聞こえる。長期の活用を考える物流事業者は、付加価値の高い自社専門施設を選ぶ傾向にある。床面積を確保すれば埋まるという時期は終わり、早くも優勝劣敗が始まりそうだ。
(文=大阪・小林広幸)

“元テレビ工場”が物流施設に続々変わり始めた! 

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

編集部おすすめの記事

特集

インバウンド・地域活性 アクセスランキング

  1. 「完全個室」超豪華高速バス競争が勃発。各社の戦略は?

    「完全個室」超豪華高速バス競争が勃発。各社の戦略は?

  2. 「爆買いツアー」終焉で貸切バス需要が急減。バス業界の今後は?

    「爆買いツアー」終焉で貸切バス需要が急減。バス業界の今後は?

  3. 新橋・田村町地区の再開発、高さ150メートルの超高層ビルも

    新橋・田村町地区の再開発、高さ150メートルの超高層ビルも

  4. 渋谷区の"世界一汚いトイレ"、なぜ日本トイレ大賞をとれた?

  5. 【オリンピックと業界認証:6】ハラル編

  6. 品川駅周辺まちづくり、品川新駅やリニア開業で再開発が加速!

  7. 東京都・勝どき東地区再開発、大江戸線勝どき駅をつなぐ地下通路を新設

  8. 「高校野球」はなぜ、日本最大の人気コンテンツになりえたのか?

  9. 本日の新聞から:またトンネル内事故…千葉県で天井モルタル落下

  10. 岡山駅前再開発、新たなランドマークになるか?

アクセスランキングをもっと見る

page top