大成建設、土に帰る「のり面緑化用の枠材」を開発 画像 大成建設、土に帰る「のり面緑化用の枠材」を開発

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 大成建設は、卵白などを材料にした固化材を用いたのり面緑化用の枠材「ビオハード法枠材」を開発した。土中や水中の微生物によって分解される生分解性の固化材で、植生の根が定着した後に自然と土に帰るのが特徴だ。部材が露出せず、景観を損なわない。軽量で運搬しやすく作業性に優れ、従来品と比べて低コストになるという。15年度中にも国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録。量産体制を確立しながら、造成工事など実施工につなげていく。
 同社は13年に卵白を主材料とする生分解性固化材「ビオハード」を開発した。卵白、ケイ砂、尿素、水をよく混ぜて練り合わせ、60度の環境下で1週間ほど養生して作製する。
 今回開発したのり枠材は、ビオハードをのり面緑化向けに改良した土木資材。長さ50センチ、高さ10センチ、幅5センチ。重さは1本3・5キロ。耐水性の向上とアンモニア溶出の低減のため、ポリ乳酸配合の生分解シートで包装されている。
 同社は約40平方メートルの実証試験区域内で、従来品のプラスチックのり枠材との比較検証を実施した。ビオハード法枠材での植生の生育状況は、設置2カ月後の1平方メートル当たりの生育本数が8500本(のり面緑化の出来形判定目安・1000本以上)、3カ月後の植被率が95%(同・70%以上)となり、判定目標値を大きく上回った。施工後に台風を2度経験したが、土留め効果が発揮されたことを確認している。
 ビオハード法枠材は植生が根付く2~3カ月後以降に分解が始まった。1年後には枠材のあった部分で植生が育っていることを確認。その後、のり面全面が緑化されていった。枠材が分解することで、のり面歩行時のつまずきや草刈り機の刃こぼれを抑え、維持管理作業の効率も高まる。
 枠材の長さや形状も調整可能なため、斜面の凹凸になじみやすい。プラスチックのり枠材の約3分の2の重量で、人力で運搬・設置が可能。1日1人当たりの施工面積も従来品より増加する。
 量産体制が整うと、材料費と労務費を合わせたコストがプラスチックのり枠材の約30%減、コンクリートのり枠材の約5%減になると試算。設置時の作業状況や重機の使用頻度など施工条件によって、さらにコストを削減できるという。
 同社は年度内にNETIS登録を済ませ、実施工に向け量産体制の確立を進める。さまざまな造成工事に提案を行うとともに、外販も視野に入れながら普及展開を図っていく考えだ。
 造成工事に伴うのり面緑化では、植生の生育基盤を確保するため、コンクリートやプラスチック、鋼材などののり枠材をグリッド状に設置し、この中に客土を敷設する。従来ののり枠材は部材露出による景観の阻害や、維持管理作業の妨げになるなどの課題があった。

大成建設/土に帰るのり面緑化用枠材開発/主材料に卵白

《日刊建設工業新聞》

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