「検疫済みのイチゴを空港で受け取れるサービス」福岡県でスタート

制度・ビジネスチャンス

 外国人旅行客がイチゴを土産として持ち帰る際、検疫済みのイチゴを出国時に空港で受け取れるサービスが福岡県で始まった。時間がかかる検疫手続きの手間を省く試みだ。注文に応じて観光農園やJAがイチゴを調達し、その検疫手続きを旅行業者が代行することで、買いやすくなる。外国人旅行者の国産イチゴ需要を伸ばす戦略だ。

・出国までに完了 空港で受け取り

外国人が農産物を持ち帰る場合、病害虫の侵入を防ぐため、品目ごとに植物検疫を義務付けている国が多い。日本からの出国時に空港で検疫手続きをする。この手間が農産物を土産として購入しにくい要因の一つになっている。

 そこで福岡県のイチゴ観光農園とJAは、旅行業者と連携し、注文を受けた後、検疫手続きを一括して代行する仕組みを整えた。外国人旅行者は、観光農園や高速道路のサービスエリアで、事前に輸出検査申請書に記入する。その注文数に応じてJAなどがイチゴを調達し、空港に配送する。出国時に空港で検疫済みの新鮮なイチゴを引き渡す。

 産地からは「福岡イチゴ」のPR効果への期待が大きい。

 「あまおう」や「かおり野」など10品種以上を栽培する筑紫野市の観光農園・筑紫野いちご農園は、受付に国別の検疫紹介パネルと輸出検査申請書を設置した。タイやインドネシアなど検疫が必要な国からの旅行者に申請書の記入を農家が手伝い、出国日に合わせて収穫した商品を空港まで届けている。

 同園は福岡空港から車で約30分と近いため、普段から外国人旅行者が多い。年間1万6000人の来場者数のうち1割が外国人だ。

 石橋徳昭代表は「園地で食べたイチゴに感動し、その場でお土産用に買ってくれたらうれしい。国外に福岡のイチゴを売り込むPR戦略でもある」と強調する。

 JAふくおか八女も土産用「あまおう」の注文販売を始める予定だ。JA販売営業課は「模索中だが、福岡イチゴのPRと新たな販路拡大につながればいい」と期待する。

 今回の検疫手続き代行の仕組みは、ジャパンショッピングツーリズム協会が試験的な取り組みとして実施している。農水省の2015年度の「おみやげ農産物植物検疫受検円滑化支援事業」を活用している。(木原涼子)

訪日客 イチゴ土産に 検疫手続きを代行 福岡県の観光農園、JAなど

《日本農業新聞「e農net」》

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